最近、チームに資金を持ち込むことでF1のレースシートを獲得するいわゆる「ペイドライバー」が急増中だ。2013年にケーターハムへ移籍を果たし、ペイドライバーのひとりとして挙げられることが多いシャルル・ピックが、資金力だけでシートを得たわけでは無いと反論している。
世界一の富豪とされるカルロス・スリムが率いる通信会社テルメックスの強力バックアップを受けるセルジオ・ペレスが2013年にトップチームのマクラーレンへ移籍を果たしたが、多くのスポンサーを抱えるピックが移籍できたのも、スポンサーの資金力によるところが大きいと考える人は少なくない。
22歳のピックは、2013年にマルシャからケーターハムへ移籍した。評価は高いものの、スポンサーのいないヘイキ・コバライネン(ケーターハム)の後任とみられている。
フランスの『Le Monde(ル・モンド)』に契約期間を聞かれたピックは、「複数年契約だよ。このチームに1シーズンだけいるわけじゃない」と答えた。
「でも、詳細は明かせないんだ」とし、詳細を語るのは避けた。
ケーターハムのチームオーナー、トニー・フェルナンデスとチーム代表のシリル・アビテブールがピックと契約した際、ピックの後ろ盾となっているスポンサーの規模が決め手になったと皮肉を言う人もいる。
これに対して「記者たちのお決まりの質問だね」とピックは語った。
「正直言って、それだけが決め手だったわけではないと思う。ドライバーはパフォーマンスに応じてチームからオファーをもらうんだ」
「ドライバーの資質が最も優先される。つまり、速さとレースの技術が問われるんだ。そこで初めてスポンサーに目が向けられる。だから、スポンサー力は切り離して考えるべき要素だよ」
しかし、一方で資金力がF1において重要であるとピックは認める。
「これはF1というスポーツの一部だよ。F1はメディアを通じて人気を獲得してきたし、自社のブランドを宣伝したい大企業はF1を大いに利用しているからね」とピックは語った。