トヨタは27日(木)、北米においてアクセルペダルが戻らないなどの不具合があったとして起こされていた訴訟について、和解合意に至ったことを発表した。トヨタではこの和解に向け、総額11億ドル(約944億円)の費用を計上するとしている。
2009年から2010年にかけて、米国でアクセルペダルが戻りづらい、運転中に急加速をするなどの訴えが起こり、トヨタはフロアマットにアクセルペダルがひっかかる恐れがあるとして大規模なリコールを行っていたが、これに関しオーナーらから、それによる経済的損失に関する集団訴訟が起こされていた。トヨタでは一貫して製品に欠陥はなかったという主張を行ってきていたが、訴訟の長期化とそれによる悪影響の増大を避けるため、今回の和解に至ったもの。
北米トヨタの法務責任者であるクリストファー・レイノルズは、今回の和解について「信頼できる科学的な証拠や、多くの第三者調査によって、トヨタの電子スロットル制御システムの安全性が確認されていたため、和解するということは大変難しい決断だった」としながらも、トヨタや、従業員、販売店、そして顧客のために過去の法律問題と決別し、積極的に歩み出す判断をしたものだと説明している。
今回の和解合意については、今後米国連邦地方裁判所の承認が必要となるが、これが承認された場合、トヨタは、特定の車両部品の保証延長やハイブリッド車両でないフロアマットリコールの対象の既販車両へのブレーキ・オーバーライド・システム(BOS)の無償搭載といった新たなサポートプログラムを開始。また、これで対応できない一部ユーザーに対しては現金支払いによる補償を行うとしている。