ロータスのシートを獲得できず、来季のF1レースシート獲得を断念することが濃厚になった小林可夢偉(ザウバー)。今は2014年にトップチームのレースシートを獲得することを目標にしているが、来年に向けてはピレリのテストドライバーに就任するという選択肢もある。
可夢偉には、F1チームのテストドライバーになるという選択肢もあるが、現在のF1はシーズン中のテストが厳しく制限されているため、シーズン中にテストドライバーがF1マシンを走らせる機会はほとんどない。中団グループ以降のチームは、各グランプリ1回目のフリー走行でテストドライバーや控えドライバーを走らせることもあるが、それもレースドライバーへの昇格が確約されるわけではない。
しかし、ピレリはタイヤ開発のテストをシーズン中にも行っている。また、タイヤ特性の理解度はレース結果にも大きく反映することから、タイヤ開発で得た経験はチームにとって有益なものとなる。そのため、2014年に向けた交渉でこの経験が武器になる可能性はある。
また、ピレリのモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは以前、可夢偉も来季テストドライバーの候補であると認めていた。
だが、忘れてはいけないのが、ピレリのF1タイヤ供給契約が2013年までになっている点。ピレリ側は契約の延長を希望しているが、現段階で契約は延長されていない。契約が延長されない場合、来季のタイヤテストは少なくなり、ピレリのテストドライバーを務めていたというメリットも小さくなってしまう。