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小林可夢偉、2013年にF1テストドライバーになった場合は?

2012年12月18日(火)15:55 pm

来季のF1シート獲得を事実上断念した小林可夢偉(ザウバー)。もしテストドライバーや控えドライバーとしてF1チームに加入した場合、可夢偉が目指している2014年にトップチームのレースシートを獲得するという目標達成の実現に、どんな影響を与えるのだろうか?

まず、レースドライバーが体調不良やケガなどで急きょレースを走れなくなった場合、チームに帯同する控えドライバーが代役になることが多い。また、可夢偉はすでにF1で3シーズン戦ってきた経験があるため、チーム側も経験の面では心配することなく可夢偉を起用できる。

実際に、ペドロ・デ・ラ・ロサ(HRT)はマクラーレンの控えドライバー時代、レースドライバーの代役として出場した経験が何度もあり、ポイント獲得などの活躍も見せていた。しかし、代役出場で周囲にアピールできるような成績を残すには、開幕前のテストや各グランプリ1回目のフリー走行などで走り、チームのクルマや仕事の進め方、エンジニアとの意思疎通などに慣れておく必要もある。

また、テストドライバーになる場合は、トップチームと中団以降のチームで状況は変わってくる。トップチームの場合、豊富な資金力を背景にシーズン中も目覚ましいスピードで開発を進めることから、常にF1で最新の技術に関する情報をリアルタイムに得ることができる。そして、各グランプリでの週末を通じたトップチームの戦い方をチーム内から見ることで、今後のキャリアで役立つことも得られるはずだ。

その一方、中団以降のチームに入った場合には、シーズン前のテスト以外にも、各グランプリ1回目のフリー走行へ出走できる可能性がある。現在のF1では、シーズン中のテストが厳しく制限され、テストドライバーがシーズン中に走る機会がほとんどなくなっている。しかし、フリー走行1回目へ出走できる立場になれば、シーズンを通じてF1関係者へ可夢偉の存在感をアピールし続けることが可能になる。

F1デビュー前の若手ドライバーに経験を積ませる目的でフリー走行走らせることも多く、今年はウィリアムズの控えであるバルテリ・ボッタスがフリー走行1回目を走っており、来季のレギュラー昇格を勝ち取った。このほかにも、来季のザウバー移籍が決まっているニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)は、2010年にウィリアムズでデビュー後、2011年はフォース・インディアの控えになってフリー走行1回目に出走し、2012年はレギュラードライバーに昇格している。しかし、トップチームがフリー走行1回目で控えドライバーを走らせることはほとんどない。

テストドライバーと控えドライバーは兼任も可能だが、2014年にトップチームのレースシート獲得を目指すのであれば、「小林可夢偉」という存在を忘れさせることなく、F1関係者へアピールし続けることが重要になるだろう。

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