セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が3年連続3度目のF1王者に輝いた。
2012年の最終戦、F1ブラジルGPでシーズンは幕を閉じ、レースでは表彰台を逃したベッテルがフェラーリのフェルナンド・アロンソに3ポイント差をつけて年間タイトルを獲得した。ベッテルは1周目の接触でスピンを喫して車体にダメージを受け、雨が降ったりやんだりを繰り返す中、無線の故障やピットでの問題を乗り越えて6位でチェッカーを受けた。
「皆ハラハラして気が気じゃなかった」
「私なんかは15歳位一気に年を取ったよ」とレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーはイギリスのテレビ局『Sky(スカイ)』に語っている。
ベッテルの祝福がどこかで始まるころ、レースの表彰式は妙に静かに執り行われた。年間タイトル競争で敗北した2位のアロンソの目に喜びはなく、自国グランプリで3位のフェリペ・マッサ(フェラーリ)はすすり泣くメカニックたちの前で必死に涙をこらえていた。
「何かをした時、100パーセントの気持ちを込めてやったのなら、自分やチームを誇りに思わなくちゃいけない、そしてまた来年挑戦するんだ」とアロンソは語った。
表彰台のインタビュアーを務めた3度の元F1チャンピオン、ネルソン・ピケは、このブラジルGPを「今まで私が見たF1レースで一番興奮した」と評した。