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フェラーリ、FIAにグリッド操作を事前確認

2012年11月20日(火)20:52 pm

F1第19戦アメリカGP(11月18日決勝)でフェラーリは、タイトル争いをしているフェルナンド・アロンソのグリッドを上げるためにチームメートのフェリペ・マッサに5グリッド降格ペナルティーを受けさせたが、レース後メディアの質問に対してルール上許される行為だと答えた。

スタート直前にフェラーリは、マッサのギアボックスの封印を破ったが、これは修理のためではなかった。5戦連続でギアボックスを使用することが規定されており、これに違反したマッサは5グリッド降格のペナルティーを受けることになる。予選7番手だったマッサが下がることで、8番手グリッドだったアロンソが7番手に繰り上がり、路面が汚れていて不利な偶数グリッドから、路面のきれいな奇数グリッドになった。

ルールの「精神」に反しないのかと聞かれると、フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリはこう答えた。「反しない。そうでなければやらなかった」

「あれは許される範囲内の行為だ」とドメニカリは話し、事前にFIA(国際自動車連盟)に確認していたことを明らかにした。

マッサを捨て石に使ったとも取れる今回の行為に対しては、F1ファンの間でも意見が分かれているが、フェラーリの伝説的創設者である故エンツォ・フェラーリなら認めただろうという点では意見が一致している。

しかし、マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュは、フェラーリを公然と批判した。「ギアボックスのルールはそんなことのためにあるのではない」という言葉を『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。

「忘れているといけないから言っておくが、フェルナンドがチームにいた時にわれわれがそのようなことをしたから、それでフェルナンドがチームを去ったのではない」とウィットマーシュはアロンソがマクラーレン在籍中に、チームメートのルイス・ハミルトンとチャンピオン争いをした結果、1年でチームを去ったことに触れて話した。

「誰もが自分がいいと思うやり方でレースに臨むしかない。しかし、もし自分が予選で速い側のグリッドを獲得したのに遅い側に動かされたら、本当に頭にくるだろうね」とウィットマーシュは語っている。

イギリス各紙も批判的だ。『Daily Mail(デイリー・メール)』は、マッサのグリッド降格は「広い意味でのスポーツ精神に反する」と述べ、『Times(タイムズ)』は、「可能な限りフェアに」コース上で競い合うのがF1であるべきだとしている。

ドメニカリは、少なくともフェラーリは率直に認めたと訴えている。

「ごまかすことも簡単にできたが、われわれは完全な透明性を追求したのだ。正しい決断ではないと言うチーム首脳がいたら、うそをついているんだ」

ドメニカリは、フェラーリが決勝直前まで決定を遅らせたのは、レッドブルが対抗策を取るといううわさがあったからだと述べた。レッドブルが3番手グリッドのウェバーに同じことをした場合、結局アロンソは偶数グリッドになってしまうからだ。

「あれは戦略上の決定だ。それも駆け引きの一部なんだ」とドメニカリは主張している。

チームメートのためにペナルティーを受けたマッサは、チームの決定を冷静に受け入れたものの、「小躍りして喜んで」はいなかったと認めた。

「僕のようなドライバーはなかなか見つからないよ」とマッサは笑顔で話している。長いスランプでチーム残留が危ぶまれていたマッサだが、2013年もフェラーリと契約を延長している。マッサと親しい同じブラジル人で、やはりフェラーリのナンバー2ドライバーを務めた経験のある元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロが見守る前で、マッサは11番手グリッドからスタートして4位フィニッシュを果たしている。

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