ロンドンパラリンピックで金メダルを獲得した元F1ドライバーのアレックス・ザナルディが、手で操作する車両でドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)のテスト走行を行った。
ザナルディは、ウィリアムズなどからF1にも複数シーズン参戦していたドライバーだが、アメリカを中心としたレースCARTへ参戦中の2001年、大クラッシュで両足を切断した。その後もザナルディはレース参戦をあきらめず、特別仕様の車両でBMWからWTCC(世界ツーリングカー選手権)などに参戦、WTCC引退後はハンドサイクルへ転向した。ロンドンパラリンピックでは、イタリア代表として出場し、見事に金メダルを獲得している。
今回のテストが実現した背景には、ザナルディとBMWとの長年のつながりがある。BMWは、46歳のザナルディのためにDTMの車両を改造し、ニュルブルクリンクで行われたテスト走行のために車両を金色にペイントした。
プレスリリースでBMWは、パラリンピックでの金メダル獲得も含め、ザナルディの「スポーツにおける比類なき業績」を讃えるために努力したと述べている。
今回のテスト走行によって、ドイツ最高峰のレースであるDTMでザナルディがシートを獲得するのではないかという期待も高まっているが、ザナルディは慎重な姿勢を見せている。
「今もレースへの情熱はあるよ」とザナルディは語った。
「だけど、このデモンストレーション走行がそれ以上のことにつながるのかどうかは分からないんだ。この年齢の者にとっては、DTMのレベルはやはり高すぎるということになるかもしれないからね」