F1アブダビGPで復帰後の初優勝を果たしたキミ・ライコネン(ロータス)。レース中に国際映像で流されたライコネンの無線が話題になっているが、ライコネンと同じフィンランド出身の元F1ドライバー、ミカ・サロは「アイスマン」と呼ばれるライコネンを擁護している。
2007年にF1チャンピオンになったライコネンは2010年からF1を離れるも、2012年シーズンに復活。何度も表彰台に上がりながら優勝には届かなかったが、ようやくフィンランド国歌を表彰台に響かせた。しかし、そのレース中に、前を走っていたルイス・ハミルトン(マクラーレン)がリタイアした後、アドバイスを送ったチームの無線に対し、ライコネンが「放っておいてくれ」と答えために大きな話題になった。
これに対しサロは、ライコネンの態度は「まったくもって普通」だと言っている。
「レース中はとても集中力が高いから、自分の置かれた状況、つまり自分がトップを走っていて、赤いクルマ(フェラーリのフェルナンド・アロンソ)がミラーに映っている、その状況は完全に分かっているものなんだ」
レースを走っているときにひんぱんに飛んでくる無線は、ただの「迷惑」だと、サロは話している。
「情報が欲しければドライバーが自分から聞くよ。私はそうだった。知りたいことがあれば、聞くんだ」
サロにかばわれたライコネンだが、レース中にアドバイスをおくったエンジニアを非難するつもりはないようで、この無線について次のように言っている。
「どのチームでも同じだよ。僕を助けようとしてやってくれていることだけど、1分間に2回も同じことを言われたらね。僕だって、自分が何をしているか忘れてしまうほどばかじゃない」
「普通のことだよ、エンジニアはただ助けようとしてくれているだけさ。でも僕も、自分のやってることはわかってる」