ティモ・グロック(マルシャ)がケーターハムに対し、現在所属するヘイキ・コバライネンを来年も残留させるべきだとアドバイスした。
現在、チームランキングで10位につけるのはマルシャ、11位にケーターハムがつけている。しかし、10位と11位には順位以上に大きな差がある。チームランキングで10位に入った場合、F1の利益分配などを定めるコンコルド協定に従い、多額の賞金が支払われる。
コンコルド協定の内容は非公開だが、チームランキング10位の賞金は2,000万ドル(約16億円)だと見られており、ケーターハムはこの賞金を予算計画に組み込んでいた。そのため、ケーターハムはこの16億円をどこかで穴埋めする必要がある。
ケーターハムに現在所属するビタリー・ペトロフは、母国ロシアから多額のスポンサーを持ち込んで同チームのシートを獲得したが、すでに母国からの支援を失い、来季はシートを失うとみられる。その代わりにケーターハムは、資金力が豊富なシャルル・ピック(マルシャ)を獲得するとされていた。
そして、チームランキングでマルシャに10位の座を奪われたため、このままランキング11位でシーズンを終え、16億円の賞金を逃すことになれば、来季はもう1人のドライバーも資金を持ち込む「ペイドライバー」になる可能性が高いようだ。
グロック同様にコバライネンは、チームへ多額のスポンサーを持ち込むのではなく、チームから報酬を得て走っているため、ケーターハムの11位が確定した場合、来季はシートを失うとみられる。ケーターハムがもう1人ペイドライバーを獲得する場合、現控えドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデや、現ウィリアムズのブルーノ・セナが候補だとされている。
しかしグロックは、次のように語った。
「もしケーターハムにとって、10位と11位の差に2,000万ドルの価値があるのなら、僕だったら10位を守ることのできる経験豊富なドライバーを選ぶけどね」
「そんな金額を持ち込めるペイドライバーなんていない」
今季はいまだノーポイントのケーターハムとマルシャ。規定により、これまでの最高位でチームランキングが決まる。第14戦シンガポールGPでグロックが12位に入ったため、マルシャがケーターハムを抜いて10位に浮上した。セバスチャン・ベッテル(レッドブル)とフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)によるタイトル争いに注目が集まっているが、その後方ではチームランキング10位の座をめぐり、ケーターハムとマルシャがタイトル争いに負けないほど熱い戦いを繰り広げている。