フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の短い1文のコメントからあまりにも多くの意味が読み取れる。ドイツ語によるウェブサイト『T-Online(Tオンライン)』が以下のアロンソのコメントを掲載した。
「ザウバーだったらミハエル(シューマッハ/メルセデスAMG)は今年、3勝はできた」
この1文でアロンソは偉大なるミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)を擁護しているだけでなく、メルセデスAMGのパフォーマンスを批判し、ザウバーの2012年型車を称賛すると同時に現在のドライバーラインアップをこき下ろしているとも取れる。
かつて7度もF1タイトルに輝いたシューマッハも、2010年の復帰後は1勝もあげられないまま今シーズン限りの引退を決めた。シューマッハのF1復帰は、輝かしいF1キャリアの汚点として間違いなく人々の中に残るだろう。
シューマッハは『Abendblatt(アーベンブラット)』に対し、現役最後のレースとなるブラジルGP(11月25日決勝)で「いい結果と共に引退できたらうれしい」と考えているものの、「実際にそうなるとは期待していない」と打ち明けた。
「そうすれば、感傷的にならなくて済む」
シューマッハが最も期待するのは、自身が貢献してきたメルセデスAMGのプロジェクトの成果が来年、ルイス・ハミルトン(マクラーレン/来季よりメルセデスAMG)とニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)両ドライバーによって実を結ぶことだ。
「僕が来年もチームにいるかのように、今もみんなと一緒に作業するのは自然なこと」
「チームも僕の意見と経験に関心を持っているからね」
メルセデスAMGのチーム代表であるロス・ブラウンは、チームが成功を収めた時、シューマッハの力が証明されるだろうと認める。
「私たちが目標を達成した時、人々がミハエルのことを思い起こすことを願うよ。だって、ミハエルはその成功の一部を担うわけだからね」