NEXT...F1開催スケジュール

F1アブダビGPのみどころ

2012年11月01日(木)9:55 am

2012年のF1も残り3戦。アジアでの戦いを終えたF1は、中東へ舞台を移し、今週末にアブダビGPが行われる。

・開催サーキット
アブダビGPが行われるのは、アブダビのヤス島に建設されたヤス・マリーナ・サーキット。2コーナーから4コーナーにかけては高速のS字区間になっているが、そのほかは長短のストレートをシケインや90度曲がる低速コーナーでつないだレイアウトになっている。

コースの中盤には、長いストレートが2本ある。この2本のストレートは低速コーナーにつながっており、ここで追い抜きが見られることも多い。

アブダビには、いくつか特徴的な部分がある。その1つが、ホテルの下を通過する区間。90度の左コーナーが2連続する18コーナーと19コーナーの間は、サーキット内にあるホテルに建設されたホテルの下を通過する形になっている。もう1つ特徴的なのはピットの出口。ピット入口は進行方向の右側にあるが、出口は左側にあるため、ピットを出たクルマはトンネルでコースの下をくぐってからコースへ復帰する。

・トワイライトレースが与える影響
アブダビGPはF1で唯一、夕方に太陽の光が残る中でスタートし、日没後に照明の光に照らされながらゴールするトワイライトレース。これがレースに与える影響は小さくない。まず、ヘルメットのバイザーが特殊なものになる。ドライバーの好みなどにもよるが、太陽の光が残っているうちは色のついたバイザーを使用し、数枚はられているバイザーをはがすことで日没後は透明のバイザーになるなどの工夫がみられる。

そして、最も大きな影響を受けるのがタイヤ。日没によって路面温度が下がることから、レース中に路面コンディションが大きく変化してしまうことになる。この路面変化にうまく対応できない場合、レース序盤と終盤での挙動変化が大きくなってしまい、それがパフォーマンスに影響を与えることにつながる。

ちなみに、ピレリがアブダビGPに持ち込むドライタイヤは、4種類あるコンパウンドのうち、中間の硬さであるソフトとミディアム。ソフトはタイヤ側面のロゴが黄色、ミディアムは白で描かれ、決勝では雨用のタイヤを使用しない限り、両方のコンパウンドを使用しなければならない。

・タイトル争いの行方は?
現在ランキング首位に立つのはセバスチャン・ベッテル(レッドブル)。2位にはフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がつけ、両者のポイント差は13ポイントになっている。ランキング3位のキミ・ライコネン(ロータス)は、ベッテルから67ポイント離れている。レース優勝で獲得できるのが25ポイント、残りレース数が3レースであることを考えると、ライコネンのタイトル獲得は可能性が低くなった。

また、ベッテルは第14戦シンガポールGPから4連勝を記録中だ。シーズン終盤になってから、レッドブルがF1で最も速いクルマであることは間違いなく、ベッテルが史上最年少でF1を3連覇する可能性が高いとみる関係者が多い。しかし、アロンソは「現役最強」と言われており、決して速くないクルマでも勝つことのできる「強さ」のあるドライバー。アブダビGPでタイトルが確定することはないが、タイトル争いの行方からも目が離せない。

・優勝争いは?
先述のように、今回もベッテルが優勝候補最有力だ。また、ベッテルのチームメートであるマーク・ウェバーも候補だと言える。数字上、わずかにタイトルの可能性を残しているウェバーだが、ベッテルのためにサポート役にまわるのか、自分の勝利を目指すのか、こちらも目が離せない。

レッドブル勢に対抗してくるとみられるのがマクラーレン勢。この数戦はうまく優勝争いから一歩後退している面もあるが、純粋なクルマの速さでは、レッドブルに次ぐ2番手につけている。そして、忘れてはならないのが、ベッテルとタイトルを争うアロンソ。もしベッテルが勝てず、アロンソが優勝した場合には、タイトル争いが再び数ポイント差の接戦になる。

・小林可夢偉、ザウバーの動向は?
アブダビGP直前に、ニコ・ヒュルケンベルグ(現フォース・インディア)と来季の契約を結んだと発表したザウバー。もう1つのシートは現控えドライバーのエステバン・グティエレスが獲得することが濃厚だとされていることを考えれば、小林可夢偉は何としてもいい成績を残して残留に向けたアピールにしたい。

その可夢偉にとってアブダビGPは、F1デビューからわずか2戦でポイントを獲得した思い出のレース。可夢偉本人も好きなレースだと語っており、前向きな気持ちでレースに臨めるとコメントしていた。

夕焼けから幻想的な光に包まれた夜景へ背景が移ろう中で行われるアブダビGPは、2日(金)現地時間13時(日本時間18時)に開幕。決勝は、4日(日)現地時間17時(日本時間22時)にスタートする。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック