フェラーリがインドGP(10月28日決勝)でマシンのノーズにイタリア海軍旗をペイントしたことが政治的メッセージに当たるのではないかと論議を呼んでいるが、F1最高責任者バーニー・エクレストンが「検討する」と述べた。
今回のフェラーリの行動は、インド当局がイタリア海兵隊員2人を拘束していることに対するもの。この海兵隊員は2月にインド人の漁師を海賊と誤って射殺したため殺人容疑で拘束されている。イタリア政府は国内で裁くために身柄引き渡しを求めているが、インド側は応じていない。
FIA(国際自動車連盟)は綱領で政治的活動を禁じており、今回のフェラーリの行動はそれに抵触するのではないかと言われている。
フェラーリの行動に対して、インド政府は不満を表明している。対外関係の報道官は、「スポーツイベント」を利用して「スポーツと無関係の運動を推進することは、スポーツの精神に反する」と述べている。
インド漁業関係者が作る「ナショナル・フィッシャーマンズ・フォーラム」も、フェラーリの決定は「国の恥」になると不満をあらわにした。
フェラーリにこうした行動を許していることは、「この国の政府とスポーツ当局側の深刻な過ちだ」とフォーラムの広報担当者は非難し、「その企業(フェラーリ)に対して再考を働きかけるよう強く要求する」と述べている。
この問題について聞かれたエクレストンは26日(金)にこう述べた。「われわれがどうするかというと、ここでこの国のモータースポーツを管轄する団体(FMSCI)が問題を検討するのを注視することになるだろう」
「われわれは政治的ではない。どういう行動が取られるかを見てみよう。(F1に)政治は入り込ませない」とエクレストンは主張した。