韓国GP(10月14日決勝)の優勝で、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがドライバーズランキングの首位に立ったが、レッドブルは、チームメートのマーク・ウェバーをサポート役に回すつもりはまだないようだ。
ウェバーは韓国GPでポールポジションを獲得したが、レース前のランキングでは首位のアロンソから60ポイント差だった。そのため、ランキング2位だったベッテルのタイトル獲得を後押しするために、チームからの指示によってチームメート間の順位を決めるチームオーダーを出すかどうかに注目が集まった。しかし、レッドブルはそれを否定していた。
韓国GPでベッテルが優勝した今、状況は変わった。ベッテルはランキングで首位に上がり、一方ウェバーは2位でフィニッシュしたため、トップとの差はわずかだが広がっている。
しかし、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、チームオーダーの必要性について聞かれると、こう答えた。「まだ早すぎる」
「差は相当大きいが、マークにもまだ数字上は可能性がある」とホーナーが述べたことを『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。「だから、マークにそれ(チームオーダーに従うこと)を求めるのは間違っていると思う」
ホーナーは、干渉しなくてもベッテルとウェバーがフェアに順位を争えることが韓国GPの1周目で証明されたと述べている。
「われわれの2台が非常に接近しているのを見るのは、常に神経がすり減る思いがするものだ。だが、ふたりは以前に何度もそういう状況になったことがあるし、(韓国GPでは)3コーナーまで完ぺきなバトルをした」
一方、マクラーレンのルイス・ハミルトンは、ランキングではウェバーを1ポイント上回る4位にとどまっている。しかしハミルトンは、韓国GPで10位に沈み1ポイントしか獲得できなかったことで、チャンピオン争いは終わったと考えているようだ。
「(タイトル争いに)勝てるかどうかと言えば、もう無理だと思う」
「今までは戦い続けてきたけれど、もう離れすぎてしまった」とハミルトンは語っている。
フェラーリのフェルナンド・アロンソにとっても、状況は厳しい。首位のベッテルとの差は数字上はたった6ポイントだが、相手は今明らかに速さで頭ひとつ抜け出しているレッドブルだ。
「これで、セバスチャンより7ポイント多く獲得しなければいけなくなった。それはものすごく難しいことだけれど、できると信じている」とアロンソは語っている。