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トヨタ「コース上でアウディに一度も抜かれていない。今週末も全開で行く」

2012年10月12日(金)22:36 pm

世界耐久選手権(WEC)富士6時間耐久レースに参戦しているトヨタ・レーシングが、金曜日のフリー走行後に記者会見を行った。

出席したのは、トヨタ・レーシング木下美明代表、2006年からレーシング・ハイブリッドシステムに携わる開発責任者の村田久武ハイブリッドプロジェクトリーダー、ドライバーの中嶋一貴選手の3名が出席した。

Q:今回のエンジンについて。

村田氏:今回は、来年のことも見据えて、信頼性が高く、精度の高いものを用意しました。絶対に壊さないことがわれわれの至上命題です。ル・マン24時間後にピストンとブロック周りをかなり変更し、さらにマイナーチェンジしたものを使います。

Q:ブラジル戦で勝利後、トヨタのパフォーマンスは上がっているのでは?

木下氏:実はクルマの性能は、勝つつもりでいたシルバーストンの時とまったく同じです。小さな問題をひとつひとつつぶしていき、やっと車両の性能を引き出せるところまできて、セッティングできるようになってきました。ブラジルでは想定通り走れたので勝てた。バーレーンはもっと優位性があったがトラブルで失ってしまいました。

木下氏:これまで4回レースをしてきたが、コース上でアウディには一度も抜かれてない。トヨタがアウディを10回以上抜いている。速いか遅いかと言われたらトヨタTS030ハイブリッドは速い。ただし、これは耐久レースなので、もう一つの要素である強いか弱いかと言われたら、まだ圧倒的に弱い。絶対に壊れなくて速い“横綱”アウディは2台体制で、幕下のトヨタは1台で挑んでいる状態です。

木下氏:耐久レースは24時間や6時間を走るレースですけど、完成度の高いアウディに勝つためには、全開で走るしか方法がない。ル・マン24時間の時も、1台がリタイアしてからも全開で走っていました。だから、今週末も最初から最後まで全開で行きます。

Q:午前走ってみて、どうですか?

中嶋:タイムを見ても、水曜日とあまり違いを感じませんでした。ただ、先ほどの記者会見で佐藤琢磨選手と中野信治選手と話していて、「今日滑るよね」と言っていたので、僕のコメントはあまりあてにできないかもしれません(笑) ずっと重い状態で走っていましたが、クルマが悪くないのは間違いないです。水曜日は、ロングランもしました。

中嶋:今日も接触が多かったけど、別クラスのマシンの走行ラインがバラバラなので、別クラスのマシンを抜く時に気をつけたい。シルバーストンの時は、みんな常識の範囲内で動いていたので、相手の動きが読みやすかったけど、富士は本当にわからない。みんな富士に慣れていないのかGTクラスとかは、かなりワイドに走っていて動きが読みづらいです。特に富士はブラインドコーナーが多いので注意したい。走っている方はドキドキしています。

木下氏:見ている方もドキドキするよ(笑)

中嶋:僕が走る走行ラインは、スーパーGTなどと基本は同じです。抜くときに特に危ないのは100Rからヘアピン、そして最終セクターが危ない。ライトを点滅させても分かりやすく譲ってくれるマシンが少なく、バックミラーを見てないようなので、安全第一で、全開で走ります。難しいけど、とにかくぶつかったりつまらないミスをしったりしないように走りたいです。

Q:タイヤはいかがですか?

中嶋:タイヤについては、ロングランではアウディとの間が詰まってくる。2スティント目はタイヤ性能はやや落ちますが、僕らのタイヤ性能が落ちたら、アウディはもっと落ちるはず。いつも使っているタイヤは、0度から40度までいけるソフトタイヤですごいタイヤです。

木下氏:2スティント目は燃料も積んでいて車重が重いのもあり、タイヤ性能のギャップはより大きく感じる。

村田氏:トヨタと今のタイヤの相性はバッチリ。バーレーンのような暑さでは厳しかったが、明日の気温はちょうど良いゾーンに入るので期待している。

Q:予選アタックは誰が担当するのか?

木下氏:”もし”中嶋一貴選手が担当になったら何秒あたりを出そうか?

中嶋:1分27秒に入ったらうれしいですね。

燃費はどうですか?

木下氏:32~33周はもちます。

Q:マシンの不具合はありますか?

村田氏:大きな不具合はないです。作業ミスで電気系のちょっとした現象が出たけど、特に大きい問題じゃない。

中嶋:レースはやってみないとわかりませんが、今のところは順調です。つまらないミスなくいければ、良いレースができると思います。

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