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ベッテル、タイトル争いで一歩リード?

2012年10月09日(火)23:47 pm

2012年F1シーズンも残りわずか5戦となった。タイトル争いはどうやらフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とセバスチャン・ベッテル(レッド・ブル)の一騎打ちになりそうだ。どちらが獲得しても、3度目。ベッテルが獲得の場合には、史上最年少での3連覇達成になる。

しかし、計算上ではまだほかのドライバーにもタイトルの可能性は残されている。キミ・ライコネン(ロータス)、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、マーク・ウェバー(レッドブル)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)らだ。さらに、度重なるスタート直後の無謀な運転でドライバーたちを一気に敵に回してしまったロメ・グロジャン(ロータス)、そして去就の行方が気になるフェリペ・マッサ(フェラーリ)のチャンスも、数字上ゼロではない。

しかし、『Bild(ビルト)』紙は、アロンソがスタート直後のターン1でリタイアした日本GPで圧倒的な速さを見せつけポール・トゥー・ウィンを飾ったベッテルが「世界王者になるだろう」と自信たっぷりに予想する。

ついこの間まで、アロンソはタイトル最有力候補だった。しかしアロンソがノーポイントで終わった日本GP後、ベッテルとの差は一気に4ポイントにまで迫った。オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙は、日本GPが2012年のタイトル争いで「最大の転機」だと考える。

アロンソはタイヤのパンクに見舞われ、ただ単に不運だっただけととらえる人もいる。しかし、最大の要因はレッドブルのデザイナーで最高技術責任者のエイドリアン・ニューイによる空力をいかした最新技術の成果だとも言われる。

新技術の「ダブルDRS」は紛れもなく、ベッテルがマクラーレンとのバトルに勝利し、シンガポールと日本で連勝する布石となった。

ダブルDRSとは、直線でのスピードを上げるために導入されたDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)をさらに応用させたシステム。メルセデスAMGが他チームに先駆けて導入し、その後ほかのチームにも広がっている。

では、フェラーリとマクラーレンはいま、急いでレッドブルの技術をコピーすべきだろうか?

フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリはドイツのモータースポーツ誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト )』に、「(ダブルDRSは)一晩で開発できるものではない」と述べた。

また、マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュは、「パニックになるべきではない」と話す。しかし、ウィットマーシュは、ダブルDRSのプロジェクトがチーム内で後回しになってしまっていることを認めた。

元F1エンジニアでマネジャーの経験もあるホアン・ビラデルプラットは、スペイン紙『El Pais(パイス)』へ次のように寄稿している。

「1ケ月前、誰もレッドブルがここまで追い上げるとは予想しなかった」

「でも、フェラーリもあきらめるわけにはいかない。風洞に問題を抱えているとは言え、最後の1戦まで開発を行える手段はある」

「フェラーリには、フェルナンド・アロンソという類まれなドライバーがいる。2回リタイアを喫してもまだ選手権をリードしている。そして残りはたった5戦だ」

アロンソ本人はしかし、いったんはタイトルを射程圏内にとらえながらも後続との差がみるみる縮まっている現状にいらだちを隠せない。日本GPでリタイアした後、母国スペインのリポーターへ次のように話した。

「僕たちはここ6戦で同じクルマを使っている。新しいパーツは1つもない」

「フェリペ(マッサ/チームメート)は完ぺきなレースをした。でも彼の2位という結果には、偶然の要素も含まれていると僕は思う。速いクルマがミスをして次々とコースオフしたからね」

ブラジル紙『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・ サンパウロ)』は、「フェルナンドのいらだちは、まったくもって理解できる」とするフェラーリのチーム代表ドメニカリのコメントを報じている。

「でも、わたしたちは、フェルナンドの才能をいかんなく発揮できるクルマを作り上げるために懸命に努力しているので、どうか安心していただきたい」

しかし、元F1ドライバーで現在はドイツのテレビ局で解説を務めるクリスチャン・ダナーは、レッドブル優位と説く。

「レッドブルはここにきて大躍進している。それにクルマも半端無く速い。フェラーリはもう太刀打ちできないだろう」

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