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鈴鹿では少し気まずいかもとハミルトン

2012年10月05日(金)9:06 am

先行きの見えない時期は終わったものの、ルイス・ハミルトン(現マクラーレン、来季メルセデスAMG)は移籍発表後の鈴鹿で初めてチームのガレージに入る時は少し気まずいかもしれないと語っていた。

マクラーレンチームのメンバーたちがハミルトンの移籍を知りながらレースを戦うのは、ハミルトンのデビュー以来6年間で今週末の日本GPが初めてとなる。

来季メルセデスAMGに移籍する事を決めたハミルトンは、「(鈴鹿で)ガレージに入るのは不思議な気分だろうね」と語った。

「2007年から一緒に働いているメカニックが数人いるんだ。ほかにも僕がデビューした時からいるスタッフが何人かいて、これまでとてもいい関係を築いてきたけど、まだ(移籍について)話す機会がなかったんだ」

「マーティン(ウィットマーシュ/チーム代表)には、みんなで酒場に集まって、チームに説明したり質問に答える機会を作りたいと言ったんだ」

ハミルトンは同様に、元ボスであり恩師であるロン・デニス(マクラーレングループ会長)にはまだ話していないと明かし、両者の関係は決裂しているのではないかと憶測されている。

「ロン(デニス)とも連絡を取ろうとしたけど、結局話す事はできなかったんだ」と説明した。

ハミルトンを少年のころからチャンピオンまで育て上げたデニスは、移籍によって裏切られたと思うだろうか? という問いには、「それはあなたが聞いてみてよ」と返した。

ハミルトンは、来月のブラジルGPでシーズンが終わった際には、チームとの良好な関係を保ったまま去りたいと願っているという。

「マーティン(ウィットマーシュ)と話した時には、関係を絶つつもりはないとも伝えたんだ。チームとの間に問題はないよ」

メルセデスAMGへの移籍については、決断は非常に難しかったと言い、ここ数週間はまるで「振り子のような気持ちだった」と話している。

「とてつもなくストレスがたまったよ。“よし移籍しよう!”と思ったかと思えば、今度は“残留しよう”と思ったりね。でも自分で決める事が大事だったんだ。プレッシャーは当然あったけど、強要されたり、急がされたりするのはゴメンだったんだ。いくつか締め切り日もあったけど、結局どれも守る事はできなかったんだ」と決断に長くかかった事情を説明した。

結局のところ、マクラーレンを去るのはメルセデスAMGを勝てるチームに築き上げる方が大きなチャレンジだと感じたからだとハミルトンは語っている。

「残留するのは簡単だったんだ。マクラーレンはすごいチームで、誰よりもいい施設を持っている。ファクトリーなんか他とは比べ物にならないよ。何でもあるんだよ、ホントにね。だからもっと勝ってなきゃいけないくらいさ」

ハミルトンはより多くの報酬をオファーされたために移籍したのではないとも話している。

「オファーはどれも似たり寄ったりだった。ひとつはPRにかり出される日数がほんの少し少なかったという程度で、オファーの内容は決定要素ではなかったんだ」

「マーティン(ウィットマーシュ)には“これ以上何を求めているんだ?”と聞かれたけど、僕は“正直なところ、マーティン、僕はチャレンジが欲しかったのさ”と答えたよ。何が起こるかは分からないけど、こういう事は誰もが経験しないといけないと思うんだ。新しい環境で、新しい人々と働いたりね」

「これは成長の過程だと思ってるんだ。僕がひとり立ちするための最後のステップだよ、多分ね」

ハミルトンが受けて立つチャレンジは、ミハエル・シューマッハのような名ドライバーたちがしてきたように、勝てるクルマを捨てて、より難しいプロジェクトを選ぶということだ。

「(シューマッハ以外で)F1でこのチャレンジに成功したドライバーは知られていないけど、いつか僕がそういうドライバーだったと言われたいね」

「僕は今マクラーレンという橋を渡り終えて違う道に進むわけだけど、その道はまたここに戻ってくるのかもしれない。分からないけどね。そんなふうに思っているんだ」とインタビューを締めくくった。

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