ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)の元マネジャー、ウィリ・ウェバーが、シューマッハは引退したほうがいいとの考えを示した。
F1で7回チャンピオンを獲得したシューマッハが2006年にいったん引退するまでマネジャーを務めていたのがウェバーだった。最近も、シューマッハに大きな個人スポンサー契約を取り付けている。この数日は、もしまだシューマッハのマネジャーを務めていたら、すぐにフェラーリ本拠地のあるマラネロへ向かい、フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモーロと話すだろうと述べて話題になった。
メルセデスAMGが、2013年以降ルイス・ハミルトン(マクラーレン)と契約したことによってシューマッハはシートを失ったが、同時にフェリペ・マッサの後任としてフェラーリに移籍するのではないかという憶測も流れ始めた。
しかしウェバーは、そうなることを望んでいないと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に語った。
「もうこれ以上何かを証明する必要など、ミハエルにはない」
「ミハエルは世界一のドライバーだった。マネジャーだったら、そこ(フェラーリ)に入れようとするかもしれない。だが、真面目に取り合ってもらえるとは思えない」
「ミハエルとその伝説的偉業をあらゆる面から考えても、今は若手に譲る時だ」とウェバーは話した。
またウェバーは、シューマッハは断じてザウバーに移籍を打診するべきではないとも語った。
「いったい何なんだろうね、ザウバーで続ける? プライベートチームで? ミハエルがそんなことをする姿は想像できないね」
「ペーター・ザウバー(チーム代表)に悪意があるわけではない。ザウバーは今年メルセデスAMGよりよくやっているのだから。だが、ミハエルのような人間には、世界的企業や有名なレーシング・チームがふさわしい」
「それに、ザウバーではタイトル争いはできない」とウェバーは付け足した。
しかし、ザウバー移籍のうわさは、シューマッハと現在マネジャーを務めるザビーネ・ケームがそれを否定するまで消えそうにない。
ケームは『CNN』に対してこう語っている。「持っているあらゆる選択肢を慎重に検討するというのが答えです。あわててそうするつもりはありません」
「しかしそれまでは、状況を明かしてさまざまな手段を相談するようなことはしません」
メルセデスAMGがシューマッハに替えてハミルトンを選んだ裏には、過去3度F1チャンピオンに輝いたニキ・ラウダの存在があった。しかしラウダは、この移籍によってシューマッハが再び引退することは望んでいないと語った。
「当然だが、ミハエルが辞めたらF1に大きな穴があくことになる」というラウダのコメントを『Der Spiegel(デア・シュピーゲル)』が伝えている。