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ピレリ「セーフティカーのタイミングで展開が大きく左右された」

2012年09月24日(月)14:30 pm

セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が優勝したF1シンガポールGP。タイヤを供給するピレリは、2度導入されたセーフティカーのタイミングによって展開が大きく左右されたと分析している。以下、ピレリジャパンのプレスリリース。

スタートからフィニッシュまで、2度のセーフティカー導入が行われた中、レッドブルのセバスチャン・ベッテルが、2ストップ戦略を採り、シンガポールで今シーズン2勝目を挙げました。ベッテルは、P Zeroレッド・スーパーソフトタイヤで3番グリッドからスタートし、P Zeroイエロー・ソフトタイヤで2スティントを走行しました。P Zeroレッド・スーパーソフトとP Zeroイエロー・ソフトは、シンガポールグランプリ用に選択されているコンパウンドです。ベッテルと2位を獲得したマクラーレンのジェンソン・バトンとの差は、約9秒でした。バトンは、ベッテルと同じ戦略を採り、最初のピットストップをベッテルより4周遅く行いました。レース時間は今シーズン最長となり、予定された61周の2周前に2時間のタイムリミットに達しました。

予選トップ10ドライバーは、全員スーパーソフトタイヤでスタートを切りました。ソフトタイヤでスタートした上位グリッドのドライバーは、フォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグ(11番グリッド)、ザウバーのセルジオ・ペレス(14番グリッド)でした。オープニングラップの事故によって、フェラーリのフェリペ・マッサはピットストップを余儀なくされ、1周でソフトタイヤへ交換しました。この時点で、マッサは最下位まで順位を落としました。彼のチームメイト、フェルナンド・アロンソは、2ストップ戦略を採り、5番グリッドからのスタートで3位を獲得し、ドライバーズ選手権トップの座を維持しました。アロンソの表彰台獲得は81回目となり、アイルトン・セナの記録を更新しました。

予選トップ10ドライバーで最初にソフトタイヤへ交換したドライバーは、8周目にピットストップを行ったレッドブルのマーク・ウェバーでした。ベッテルはその2周後に、バトンは14周目に、それぞれソフトタイヤへ交換しました。ヒュルケンベルグとペレスは、ともに18周目にピットインを行い、彼らの2ストップ戦略の一環としてソフトタイヤへ交換しました。この戦略は、レース終盤、彼らがスーパーソフトで速いラップを刻むことを可能にしました。マッサも最終スティントでスーパーソフトを使用して26周を走行し、一時は最下位まで順位を落としながらも、レース終盤にポジションを上げて8位でフィニッシュしました。

33周目に1回目のセーフティカー導入が行われた際、上位勢は予定していた2回目のピットストップを行い、ベッテルは、首位をキープしたままソフトタイヤでコースへ戻りました。バトンもソフトタイヤを装着し、ベッテルに続きました。彼らの2セット目のソフトタイヤは、レース終了までの45分間(または26周)持ち応えました。

40周目に2回目のセーフティカーが導入されたことにより、ペレスは、ポジションを大きく落とすことなく2回目のピットストップを行い、ソフトタイヤでのスタートから11位(注:レース後のウェバーへの20秒加算ペナルティーによって、最終結果は10位)を獲得することができました。ヒュルケンベルグも2回目のセーフティカー導入中にピットストップを行いましたが、その後の事故によって予定外のピットストップを余儀なくされ、最終的には3ストッパーとなり、ポジションを上げることができませんでした。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント
「セーフティカー導入のタイミングによって展開が大きく左右されました。もしも最初の10周でセーフティカーが登場していたら、全員が自動的に2ストップ戦略を採るレースとなったでしょう。セーフティカー導入が無かったとしたら、マクラーレンは2ストップを実行できたかもしれませんが、レッドブルを始め、大半のチームが3ストップとなったと思われます」

「現実には、レース中盤にセーフティカーが導入されたため、大半のチームにとって、彼らの戦略を2ストップに変更することが可能になりました。シンガポールでは、低速コーナーからの脱出時にトラクションが要求されるため、特にリアタイヤへの負荷が大きくなります。2つのコンパウンド間の性能差がラップあたり約1.5秒と大きく(おそらくシーズン中で最大です)、クロスオーバーポイントが約10周だったため、特に燃料が重い状態のレース序盤、タイヤマネジメントにおけるドライビングスタイルが非常に重要な役割を演じました」

「レース前半はセーフティカー導入が無かったため、各チームは、柔軟な姿勢で多くの選択肢が取れるように多様な戦略を見せていました。そしてセーフティカーの登場が戦略に影響を与え、各ドライバーは、2回目のピットストップを行い、フィニッシュまでタイヤをマネージする必要に迫られました。もっとも、その後の2回目のセーフティカー導入がドライバーたちの大きな助けになりましたが。あらためて、ここシンガポールで、タイヤ戦略が結果を左右する、タフで見ごたえのある予測不可能なレースが見られました。キャリアベストの4位を獲得したフォース・インディアのポール・ディ・レスタを祝福したいと思います。また、ティモ・グロックによって、チーム最高の12位を獲得したマルシャも祝福したいと思います」

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