NEXT...F1開催スケジュール

ザウバーのCEO「今年の目標は5位」

2012年09月13日(木)9:12 am

年間20戦で争われるF1の2012年シーズンも13戦が終わり、ザウバーにとってのハイライトはフロントロー獲得と3回の表彰台だろう。先週末のイタリアGPでは、チームの獲得ポイントがついに100の大台に乗った。これは、2011年シーズンの獲得ポイントを50ポイント以上うわまわる数字だ。上昇気流にのったザウバーの舵取りをするチームCEOのモニシャ・カルテンボーンのインタビューをお届けする。

Q: ベルギーGPとイタリアGPの連戦があったこの8日間はジェットコースターに乗っているよう日々だったと思います。

カルテンボーン:スパ(ベルギーGP)については、いつまでもくよくよ落ち込んでいませんよ。予選で素晴らしい結果がでて、2番手と4番手でレースをスタートできました。結局1ポイントも獲得することはできませんでしたが、 それは私たちの力が及ばない範囲のことです。早いうちに忘れてしまった方がいいレースでしたね。それでも、モンツァ(イタリアGP)では貴重な20ポイントも手にすることができて、自分たちの出した結果をとても誇りに思っています。

Q: イタリアGPでは、12番手スタートのセルジオ・ペレスが2位でゴールすると思っていましたか?

カルテンボーン:私たちが決勝に強いことは分かっていました。たとえば、マレーシアGPでセルジオは15番手という後方からスタートして、天候のめぐり合わせもあって2位でゴールしてくれました。ドイツGPでは、小林可夢偉が12番手スタートから、4位でゴールを果たしました。それでもやはり、モンツァでこのような結果が出るとは予想もできませんでした。

Q: 昨シーズン、ザウバーの年間獲得ポイントは44ポイントでした。2012年シーズンは13戦を終えた時点で100ポイントを獲得しています。この躍進の秘密を教えてください。

カルテンボーン:技術担当者たちやエンジニアたちがザウバーC31フェラーリ(2012年型)を素晴らしいクルマに仕上げてくれました。昨年のクルマの弱点はほとんど完全に解決しましたよ。C31の開発は今も高いレベルで続いており、大きな成果を生んでいます。それに、2009年のBMW撤退から始まった困難な時期を乗り越えたチームに安定性が戻りました。この安定性を取り戻したことは非常に大きいのです。それに加えて、チームの若きドライバーふたりが今年も経験を積んでくれている点も、忘れてはいけません。

Q: 独立系チームとなったザウバーは、大規模チームの開発スピードについていけますか?

カルテンボーン:努力は確実に実を結んでいます。バルセロナ(スペインGP)とシルバーストン(イギリスGP)に持ち込んだ大幅改良のパッケージは大成功でした。コース上での進化は予想通りですし、完全に計算通りです。チームのエンジニアたちのお手柄ですね。そして、C31はまだ力を秘めています。これから先の、アジアで行われるレースでも、もちろんクルマを改良していきますよ。それと同時に、来年に向けたクルマの開発にも注力していきます。ですから、開発ペースだけではなく、実戦での効果という意味でも(大規模チームと)戦っていかれるか、というところですね。たしかに、予算の問題は大きく影響しています。手元の資金が大きければ、集中してクルマの開発を進められますし、直接クルマのパフォーマンスにも影響します。

Q: F1で予算関連の事案が進んでいることについて、どう思いますか?

カルテンボーン:予算は早急に行動に移すべき懸案事項です。多くのF1チームが、財政上、大きなチャレンジを強いられています。ザウバーF1チームは、コスト削減に賛成しています。なによりもまず、2013年からは予算制限協定が実現し、予算監視が始まることになります。2014年からエンジン(使用)料が独立系チームにとって現実的な数字になるのも大事なことです。この一連の流れを続けていくことで、過去数年間にわたって続けてきた技術開発の方針がロードマップを描いていくのです。計画も練りやすくなりますし、コストも大幅に削減できるでしょう。

Q: 2012年の残り7戦における目標は?

カルテンボーン:私たちはシーズン序盤から活躍しましたが、シーズンが進むにつれて、言ってみれば“いつまでこの勢いがもつか”という目を向ける人たちは多かったのです。しかし、現実はどんどん強くなっていき、シーズンの残り3分の1でも素晴らしい走りを見せられるものと期待を膨らませています。シーズン開幕前、私たちはチームのランキング順位を大きく上昇させたいと言いました。2011年シーズンのチームランキング7位が出発点です。つまり、今年の目標は5位です。たしかに野心的ともいえる目標ですが、目標は高く持つものですからね。そして、私はチームに自信をもっています。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック