昨シーズン途中までロータス・ルノーGP(現ロータス)に在籍していたニック・ハイドフェルドが、まだF1をあきらめたわけではないと主張している。
2000年に当時のプロスト・グランプリからデビューを飾ったハイドフェルドは10年以上にわたってF1で180戦以上を戦ってきたベテランドライバーである。昨シーズンは開幕前に負傷したロバート・クビサの代役としてロータス・ルノーGPから参戦していたが、第11戦ハンガリーGP後にブルーノ・セナ(現ウィリアムズ)にシートを奪われ、それ以降はF1の表舞台から遠ざかっている。
シーズン途中でロータス・ルノーGPを解雇されたことについては今でも怒りを覚える、とハイドフェルドは次のように語っている。
「あの出来事を乗り越えるためには時間を要するものだし、実際まだ引きずっているよ」
「とてもつらい時期だった」と認めたハイドフェルドは、さらに次のように付け加えた。
「僕が想像していたような別れ方ではなかったからね」
2011年にF1を離れて以来、何度か別カテゴリーでのレースを行ってきているハイドフェルドだが、最近、2013年シーズンに向けて「いくつか話し合いを持ち始めた」ことを明らかにしている。
あくまでもF1が最優先だというハイドフェルドは、『DPA通信』に次のように語った。
「僕はまだ、何か他のことをやってみると言うような状態ではないよ。F1のことが大好きだからね」
「でも、(F1復帰が)そんなに簡単なことならもうとっくにそうしているよ。そんなに簡単なことではないけどね。でも一方では、最近の何年かの間にも見てきたように、予想外のことだって起こり得るからね」
「どのチームでもいいというわけじゃないけれど、すぐにトップチームに行けるチャンスは極めて小さいということも分かっている」
「もし成功の見込みがないようであれば、もうそうする必要はなくなるだろうね」
ハイドフェルドは、これまでのF1キャリアを通じて、1度も優勝がないドライバーの中でもっとも多くの表彰台に上ったという記録(13回)を持っている。このことについて尋ねられたハイドフェルドは微笑みながら次のように答えている。
「もちろん、もっとマシな記録をもちたいよ」
「でも、表彰台に上ることはもちろん、F1でレースをすることすら、かなわないドライバーがたくさんいることを考えれば、それはやはり特別なものだね」