フェラーリのチーム代表ステファノ・ドミニカリは、元フェラーリドライバーで2007年のF1王者キミ・ライコネン(ロータス)が今年のタイトル争いにおける真の脅威であると語った。
フェラーリの現ナンバー1ドライバーであるフェルナンド・アロンソは、先週末のイタリアGP終了後、2位に37ポイントの差をつけて選手権をリードしている。
アロンソは今季これまで3勝を含む7度の表彰台を獲得した。
しかし、ライコネンはまだ優勝こそないものの、2年ぶりのF1復帰となる今シーズンでここまで6度表彰台に立っており、タイトル争いでも1位のアロンソと2位のルイス・ハミルトン(マクラーレン)に続く3位につけている。
イタリアGPで5位に沈みがっかりしていたライコネンであるが、現実的な面も持ち合わせる。
母国フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に対し、ライコネンは次のように話した。「アロンソに対してポイントを失うたびに、タイトル争いがより一層厳しくなる」
「でも、レース(イタリアGP)が始まる前まで、僕たちは6位でフィニッシュしたいと思っていたのに、それよりもよい順位で終えることができた。だからその点では持てる力を出し切れたと言える」
海外のメディアは、ライコネンを2012年のタイトル争いにおける「静かな」脅威と呼んでいる。中でも『Reuters(ロイター通信)』はライコネンのこれまでの戦いぶりを「忍(しの)び足戦法」と表現した。
アロンソとライコネンの差は、モンツァでさらに5ポイント広がり、38ポイントとなってしまった。これはバレンシア(ヨーロッパGP/6月24日実施)終了時点の際の差とまったく同じである。
過去3度タイトルを獲得したジャッキー・スチュワートは、「キミがタイトルを獲得することはおそらくない」と話す。「でも、もし最終的にトップ3に入っていたら、それは素晴らしい結果だ」
「彼は実にすばらしい働きをしているし、常にポイントを獲得している」とスチュワートはライコネンの堅実な戦いぶりを高く評価している。
ロータスのチーム代表エリック・ブーリエは、E20(ロータスの2012年型車)が残りのレースで強さを発揮するだろうと予想する。
「モンツァが私たちにとって難しいレースになることはわかっていた。でも、次戦から再びE20に合ったサーキットでのレースが続く」
「非常に難しいとはいえ、キミにはタイトルを獲得できるチャンスがまだ残されている」とブーリエは考える。
フェラーリのドメニカリもブーリエの意見に同意する。
スペイン紙『AS』に対し「ハミルトンを警戒する必要があるけど、決してライコネンを侮ってはいけない」とドメニカリは話した。
スペイン紙『El Pais(パイス)』もまた「ライバルの1人1人に敬意を払っているが、私は常々キミが非常に怖い存在であると言ってきた」というドメニカリのコメントを紹介している。