F1の最高権威、バーニー・エクレストンと統括団体FIA(国際自動車連盟)の会長ジャン・トッド、フェラーリ社長のルカ・ディ・モンテゼモーロが、マラネロにある同社の本社で会合を持った。
フェラーリによると会合は「友好的で生産的」なものだったというが、三者が重要な議題でことごとく衝突していることを考えると、F1にとって興味深くも妙なタイミングで行われた首脳会談だった。
例えば、エクレストンとトッドはFIAがF1でより多くの収益をあげたがっていることについて議論しており、モンテゼモーロはトッドから来年のエントリー料の値上げを示唆されている。
モンテゼモーロは逆にトッドの「将来電気自動車を参戦させる」アイデアを「ジョーク」だとこき下ろしており、フェラーリがF1から撤退する可能性も捨てていない。
「もしF1が市販車に転用できるテクノロジーによる極限の戦いでなくなるのであれば、フェラーリ抜きのF1を見ることになるかもしれないよ」とモンテゼモーロは『CNN』に語っている。
トッドは、フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリも会合に出席したことを明かしたが、新しいメーカーの参入を促すことを重要視しているようだ。また一方で、エクレストンとメルセデスの確執が原因で、同社の保有するメルセデスが撤退することはないと確信している。
「(メルセデスの撤退は)ないだろう、でも彼らをF1に引き留めておくためにできることはすべてしなくてはいけないね」とイタリア紙『Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にトッドは語っている。
「もしかすると長距離レースに参戦しているメーカーをエンジンサプライヤーとして参戦させられるかもしれない、アウディ、トヨタ、ポルシェ、あと韓国勢とかね」
それに不可欠なのは、コストの削減だという。
「2005年以降、われわれはコストを30%削減してきた。しかし次の3年間でもう30%削減できなければいくつかのチームを失うリスクが生じる」とトッドは警鐘を鳴らしている。