マクラーレンのルイス・ハミルトンがツイッターでのつぶやきで物議を醸している。
1日(土)、ベルギーGPの予選で8位に終わったハミルトンは、ツイッターでインターネット略語の「WTF」(いらだちを表す下品な表現)を使い、チームメートのジェンソン・バトンが改良型のリアウイングを使ってポールポジションを獲得したことに対する不満をもらした。
ハミルトンはすぐに、このつぶやきを削除した。
しかし、この“ツイッターゲート”はさらに大きな問題に発展した。2日(日)の決勝前にハミルトンは、極秘であるべきマクラーレンのテレメトリー・シート(走行中のマシンから送られる各種データをプリントアウトした紙)を写真に撮ってツイッターに掲載したのだ。
このデータは、バトンが予選で有利だったことを示すためのものだった。そこには手書きで「ストレートで0.6秒」とあり、ハミルトンがバトンに対してロスしていることが分かるようになっていた。
またそこには、他チームに漏れてはならないマシンの車高データなどの情報も含まれていた。
「(ツイートを)削除するよう求められて、彼はすぐにそうした」とマクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュが話したと『BBC』は伝えている。
この事件は、ハミルトンとチームが2013年に向けて契約延長交渉を行っているさなかに起きた。ハミルトンの契約は今シーズン末で切れ、チームに残留する方向で話し合いが進んでいるが、細かな点で折り合いがつかず、交渉が難航しているという報道もある。
「これは、事実上の戦争だ」とある匿名のパドック関係者は述べている。
しかしウィットマーシュは、ハミルトンが謝罪したと述べ次のように説明した。「彼は(テレメトリーについて)状況判断を誤った」
「明らかに、よく考えていなかったんだろう」
ハミルトンは、ベルギーGP決勝で、スタート直後にロメ・グロジャン(ロータス)と接触、1コーナーで激しいクラッシュに巻き込まれてレースを終えたが、レース中はインタビューに姿を見せなかった。
決勝後のリリースの中でハミルトンは、「スタートについては話したくないんだ。何が起きたかは見れば分かるよ」と話している。