NEXT...F1開催スケジュール

ロータス、F1ベルギーGPでダブルDRS導入を目指す

2012年08月07日(火)16:46 pm

ロータスは、次戦ベルギーGP(9月2日決勝)で「ダブルDRS」と呼ばれるシステムをお目見えさせるのではないかと推測されていたが、同チームの技術責任者であるジェームス・アリソンがこれを認めた。

DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)とは、昨年からF1に導入されたシステムで、リアウイングの角度を変えることで一時的に最高速を上げる効果を持つものだ。フリー走行や予選では自由に使用できるが、決勝レースにおいては指定された区間で、前車との間隔が1秒以内となったときだけ使用が認められている。

メルセデスAMGではさらに、そのDRSを作動させることにより、リアウイングの側面に設けられた空気取り入れ口が露出し、そこから導入された空気をフロントウイングに流すことでフロント側のダウンフォースを減らし、さらなる速度上昇を可能とするシステムを開発した。このシステムが「ダブルDRS」と呼ばれるものだ。

イギリスの放送局『Sky(スカイ)』の番組「F1ショー」の中でテレビ解説者のテッド・クラビッツが説明したところによれば、ロータスのシステムはメルセデスAMGが先駆的に取り入れたものとは違い、リアウイングのDRSに取り付けられるものではないという。クラビッツはロータスがこのシステムのことを「Fダクト」と呼んでいると語るとともに、次のように続けている。

「(レースでは)DRSを使えるのはサーキットの所定の区間だけだが、彼ら(ロータス)は時速150マイル(約時速241km)を超えるところであればほとんどの場所で直線スピードを上昇させることができる」

そうなれば、ベルギーGPが開催されるスパ・フランコルシャン・サーキットの長いストレートや、高速コーナーにおいて非常に有利に働きそうだ。

さらに、かつてトヨタで活躍していたことのある元F1ドライバーであり、現在はやはり解説者を務めるアラン・マクニッシュも次のように補足している。

「彼ら(ロータス)によれば、だいたい時速4、5km速度が上昇するそうだ。これは大きなアドバンテージだね」

ロータスは、すでに第10戦ドイツGPと第11戦ハンガリーGPの金曜フリー走行で、キミ・ライコネンによってこのシステムのテストを行ってきている。

このダブルDRSのような仕組みをもつシステムは来年2013年シーズンには統括団体FIA(国際自動車連盟)によって禁止されることになると言われているものの、アリソンは、現時点においてはまだこのシステムの開発に費用をかけて取り組むことに価値があると信じているようだ。

アリソンは次のように述べている。

「もし来年にはそれが使えなくなるとしても、われわれとしては取り組む価値があると思っている」

「スパではそれを装備できるようにしたいと思っているよ」

こう語るアリソンだが、ベルギーGPで2台のクルマにこのシステムを搭載するにはかなりの努力が必要になるとして、次のように続けた。

「カレンダーで見れば十分な時間があるように見えるだろうけど、(夏休み中は)ファクトリーが閉鎖されるから実際に作業ができる時間はそれほどない」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック