車高調整システムについてのルール違反を指摘されたレッドブルが、同様の装置を最初に導入したのはフェラーリだと主張した。
F1では、予選終了から決勝開始まで「パルク・フェルメ」と呼ばれる停車場内に止められたクルマに変更を加えることは禁止される。予選終了時のセッティングで決勝をスタートさせるため、サスペンションを構成するパーツの1つであるダンパーは専用器具を使わなければ調整できない仕様とすることが規約で厳しく定められている。
前戦ハンガリーGPで明らかになったところによると、すでに1ヵ月以上前の第7戦カナダGPで、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)はレッドブルに対して、専用器具なしで調整可能な車高調整システムの使用をやめるよう求めていたという。
この装置によって、決勝前の「パルク・フェルメ」状態のときに、メカニックがマシンの車高を変更することが可能になっていた。燃料の少ない予選はより低い車高で走り、燃料の重量で自然に車高が下がる決勝では車高を上げることによって、不正にマシンパフォーマンスを上げることができる。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、今回の問題は単純なことだ話した。
「手動で調整をしたことは一度もない」
「どうしてほかのチームがこれほど大騒ぎをするのか分からないね。われわれはたまたま知っているんだが、フェラーリはあれと似たようなものを1年前から使っている」というマルコのコメントをドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌が伝えている。