フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリが、同チームはフェルナンド・アロンソを支えるナンバー2ドライバーしか求めていないことを示唆した。
フェラーリとフェリペ・マッサの契約は今年で切れるが、フェラーリ側が持っていた契約延長の優先権は先週末に失効した。そのシートに来シーズン誰が座るのかについては、大勢の名前が挙がっている。
そこに最近、2007年にフェラーリでF1チャンピオンになったキミ・ライコネン(ロータス)の名前が新たに加わった。
この報道についてドメニカリが「キミはわれわれのチームでF1チャンピオンになった。そのゴシップも見たよ。だがゴシップに過ぎない」と述べたと『The Sun(サン)』が伝えている。
ドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』が伝えたドメニカリの別のコメントを見ると、アロンソと同等のドライバーが組む可能性は低いようだ。
「フェラーリの哲学は常にこうだった」
「それは、偉大なチャンピオンと、それに近い非常に良いドライバーとを組ませることだ」とドメニカリは説明している。
「ナンバー1とナンバー2」を組ませるのがフェラーリ流というのがF1関係者の見方だったが、ドメニカリのこの発言は、それを事実上認めたようなものだ。
だとすれば、ライコネンやジェンソン・バトン(マクラーレン)のようなF1チャンピオン経験者が、2013年にアロンソのチームメートになる見込みはないのだろうか?
「そのドライバーたちはほかのチームとの契約があると思うが」とドメニカリは答えた。「それにわれわれは急いでいない」
ナンバー2かどうかはともかく、お金は1つの要素になるだろう。
ブラジル人記者のリビオ・オリッキオは、ライコネンがフェラーリに移籍した場合、その報酬額が、現在の推定500万ユーロ(約4億8,000万円)の倍になる可能性もあると見ている。
また、『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』の記者レイモンド・ブランカフォルトによれば、ライコネンの移籍はフェラーリにとっても良い結果をもたらすという。ライコネン並にポイントを稼げていれば、フェラーリはチームランキングであるコンストラクターズ選手権で首位に立てていたからだ。
現在、アロンソはドライバーズランキングでトップだが、マッサが25ポイントしか獲得していないために、フェラーリはコンストラクターズ選手権で4位にとどまっている。F1の年間収益は、コンストラクターズ選手権の順位に従って分配されるため、チームにとって数千万ユーロ(数十億円)の損害ともなる状況だ。
「現在マッサはフェラーリにとって非常に高くついている」とブランカフォルトは評した。
しかしドメニカリは、こうした憶測を打ち消そうと躍起だ。
「われわれはフェリペの味方だ。彼を援護したい。これは今年のチャンピオン争いにおいて重要なことだ」とドメニカリは述べている。