マルシャのマリア・デ・ビロタがテスト中に起こした事故はドライバーの過失といったニュアンスのチームコメントを受けて、デ・ピロタが所属するスペインのモータースポーツ連盟会長、カルロス・グラシアは、マルシャを非難した。
マルシャは、直線コースでマシンの空力テスト中、停車していたトラックに突っ込んだデ・ビロタの事故はドライバーの運転ミスと明言したわけではない。しかし、このほど内部調査においてマシンに異常は認められなかったと公表している。
こうした声明を受けて、FIA(国際自動車連盟)副会長も務めるグラシアは、“腹立たしさを覚えながら”これを読んだと、『AS』に対して次のように語った。
「(外部機関による)調査が行われている最中に、まったくもって余計なひとことだよ」
「マリア(デ・ビロタ)に責任を覆い被せようとしているとしか思えない。とにかく今はマリアの記憶が戻るのを待つのみだ」
「いずれにしろ、仮にドライバーの責任だったとしても、機材輸送の手順に不備があったことは否めない。何せトラックのテールリフトがナイフの役割を果たしたんだからね」
「ガレージのドアがドライバーの頭の高さまでしか開いていないのと一緒だ。これはチームの落ち度であり、決してマリアの責任ではない」
グラシア会長は、もしデ・ビロタがもっと大規模なチームでテストを行なっていたら、これほど重大な結果にはならなかったと語る。
「私はジャン・トッド(FIA会長)に、しっかりテストを監視して最低限の安全手順を守らせてほしいと申し入れた。同時に、次回の世界モータースポーツ評議会に議題として上げるよう考えてほしいと伝えてある」
「フェラーリにしろマクラーレンにしろ、トップチームだったらもっと注意してテストを行うはずだ。下位チームは、安全性の基本ラインをもっと引き上げねばならない」とグラシアは締めくくった。