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F1ドイツGPの見どころ

2012年07月19日(木)10:26 am

ニュルブルクリンクとホッケンハイムリンク、2つのサーキットで交互に開催されているF1ドイツGP。今週末に行われる今年のドイツGPは、ホッケンハイムリンクが舞台となる。

・開催サーキット
ホッケンハイムリンクは、1930年代にオープンした伝統あるサーキット。以前は森を駆け抜ける非常に長いストレートと、低速のシケインをつなげたとても高速なレイアウトになっていた。しかし、2002年のレースを前に大幅なコース改修を受け、長いストレートは姿を消し、近代的なサーキットに生まれ変わった。

新レイアウトは、旧レイアウトのコース序盤と終盤をつないだような形になっており、以前ほど直線重視のセッティングが施されることはなくなった。このため、クルマを地面へ押し付けるダウンフォースを以前よりも多くしたセッティングになり、結果として各コーナーの通過スピードが上がっている。

タイヤプライヤーのピレリがホッケンハイムへ持ち込むタイヤは、4種類あるコンパウンドのうち、中間の硬さであるソフトとミディアム。ソフトはタイヤ側面のロゴなどが黄色、ミディアムはロゴなどが白で書かれている。決勝では、雨用のタイヤを使わない限り、ソフトとミディアム両方のタイヤを使用しなければならない。また、フリー走行では各チームに試験用の新型ハード側タイヤも供給され、今後に向けたデータ収集も行われる予定だ。

・追い抜きが可能なサーキット
コース上での追い抜きが難しくなった近代F1だが、ホッケンハイムは追い抜きが可能なサーキットでもある。最も抜きやすいのは、コース改修で新設された6コーナーのヘアピン。左にゆるくカーブした実質のストレート区間後にあり、ホッケンハイムで一番追い抜きが見られる場所になっている。

また、2コーナーで追い抜きが見られることもある。さらに、もし2コーナーで抜くことができなくても、ここで前を走るクルマにプレッシャーをかけ、相手のミスを誘うことで、続く3、4コーナーや実質のストレート区間になっている5コーナーの通過スピードが遅くなり、6コーナーのヘアピンで抜くということも可能だ。

DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を決勝で使用できるDRSゾーンも5コーナーのストレート区間に設置されるため、今年はここが決勝での注目ポイントになりそうだ。急激な性能低下を起こすピレリタイヤの特性により、例年以上に追い抜きが多くなっている今季F1。今年のドイツGPは、これまで以上に追い抜きの多いレースになるかもしれない。

・優勝争いは?
前戦イギリスGPでは、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がレースを通じて速さを見せていたが、タイヤ戦略の違いにより、レース終盤になってマーク・ウェバー(レッドブル)がアロンソを抜き去った。今回もフェラーリとレッドブルが優勝争いの中心になってくるだろう。

また、最年少でF1の2連覇を達成したセバスチャン・ベッテル(レッドブル)にとっては、今回が母国グランプリになる。だが、ベッテルはまだ母国での優勝経験がない。ホッケンハイムはベッテルの故郷からわずか30分の距離にあることから、ベッテル本人も初の母国レース優勝を目指すとのコメントを残している。

また、ドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツのF1チームであるメルセデスAMGや、今週末にF1参戦100戦目を迎えるルイス・ハミルトンが所属するマクラーレンなども優勝争いへ絡んでくる可能性がある。そして、暑いレースになることが予想されるため、暑いコンディションで強さを発揮する傾向のあるロータス勢からも目が離せない。

・小林可夢偉、ザウバーの動向は?
前戦イギリスGPでは、改良パーツを持ち込んだものの、その効果を十分に確認できなかったザウバー勢。また、小林可夢偉はチーム側の戦略ミスや、可夢偉自身がピットストップでミスしたことなどから、ここ最近は苦しいレースが多くなってきている。このあたりでいい結果を残し、流れを変えたいところだ。

さらに、ザウバーはスイスのヒンウィルを拠点にしているため、チーム本拠地から近いサーキットでもある。クルマ自体の性能は決して低くなく、トップチームに比べてもタイヤをうまく使えていると言われるザウバー。戦略面なども含め、週末を通じていい流れを維持できれば、可夢偉も好成績を残すことが期待できるだろう。

暑い中でのレースになることが予想されるF1第10戦ドイツGPは、20日(金)現地時間10時(日本時間17時)に開幕。決勝は22日(日)現地時間14時(日本時間21時)にスタートする。

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