2010年シーズンが始まる前に結ばれた契約は、ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)を引退生活からF1のグリッドにカムバックさせたが、そのメルセデスAMGとの契約も今季限りとなっている。
シューマッハが現役を続行するか否かは2013年シーズンのドライバー市場全体にも影響するため、去就について様々な憶測が報じられている。
また、シューマッハには一方的に契約の更新または終了を決める権利があると伝えられており、その条件が理由で、メルセデスAMG側はシューマッハに決定を急ぐように圧力をかけているといううわさもされている。
同時に、メルセデスAMGは現在フォース・インディアに所属しているメルセデスドライバー育成プログラム出身のポール・ディ・レスタに関心を寄せている事も認めている。
そんな中、シューマッハは最近、現役を終えるにはまだ早いと感じているような発言をしている。
ドイツ誌『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』はシューマッハの発言を次のように伝えている。
「いずれは引退する時が来るよ。気持ちがまた他の事に移ったらね」
2006年にF1への情熱が衰えたとして、フェラーリとF1を去った時の事を示唆しているが、これは2000年から2004年までのシーズンを席巻し、前人未到の成功を成し遂げた直後の事だ。2度目のF1キャリアに戻ってからについては、「大して達成していない」と自ら認めている。
シューマッハは、バレンシアで行われたヨーロッパGPで、F1復帰後ついに表彰台に戻ることができた。
「最初は“やったぞ!”と思ったけれど、やっぱり一番上の段に立ちたいとすぐ思ったんだ」と笑顔で答えた。
さらに、F1復帰から3シーズン目にしてようやくクルマになじんできたとも明かしている。
「去年までとは違って、やっとマシンの力を出し切れるようになったんだ」と語るシューマッハが、まだレースをする意欲があるようだ。
すでに歴代最多の91勝をあげていても、「やる気は満々」と語っており、ドライバーの仕事に戻った事を幸せに思っているという。
「だって僕の仕事で一番大事な部分は、一番楽しみにしている“レースをする事”だからね」