2012年シーズンの8戦を終え、今のところ華々しいF1デビューイヤーとなっていないジャン・エリック・ベルニュ(トロ・ロッソ)は、この成績は自身の実力不足が原因ではないと自己弁護している。
2011年シーズンまでステアリングを握っていたセバスチャン・ブエミとハイメ・アルグエルスアリを放出したトロ・ロッソは、新人のベルニュと、ベルニュよりやや先輩にあたるダニエル・リチャルドを起用したが、今のところベルニュはリチャルドの成績に及んでいない。
しかし、ベルニュは自身の力不足がこの不振の理由とは考えていない。
「結果にはあまりあらわれていないけれど、全体に見てかなり前向きな状況だと思う。僕はたくさんのことを学んでいるよ」と『RMC Sport(RMCスポーツ)』に語ったベルニュは、1番の問題はトロ・ロッソの2012年型車にあると話し、緊張感を持っているのはドライバーではなくエンジニアの方だと明かしている。
「楽じゃないよ、緊張状態が続いているのさ。誰もがプレッシャーを感じているよ」
「クルマが良くなれば、(状況も)好転する。だけど、周りはみんないい人だし、誰もが手助けしてくれる」
チーム内の雰囲気を明かしたベルニュは、リチャルドと自分の戦績について、主に予選ではリチャルドが先行しているが「僕はレースごとに進歩している」と語る。
「僕は成長するために頑張っているし、クルマについても同じことだよ。(大きく成長するときが)同時に訪れるかもしれないし、そうなったら結果はついてくるはずだ」
前向きな発言をするベルニュだが、レッドブル関係者の間ですらベルニュの成績不振が批判されるときもあると知り、驚きを隠せなかったようだ。
「そんな話はあまり聞いたことがないよ。僕が批判の言葉を聞くのは、身近な人たちからばかりだ。そうすることで、僕を正しい方向へ導いてくれている」
「今は我慢のときだ。努力を続けることで結果はついてくると信じている。クルマさえ良くなれば、全てがもっと楽になるはずだよ」
今シーズン開幕前に解雇されたブエミとアルグエルスアリ、そしてその前にチームに加入しては去っていったレッドブルの若手ドライバーたちの二の舞を演じる日が近づいているとの意見にも、ベルニュは強気で前向きな姿勢を崩さない。
「誰だって、慣れるまでは時間がかかるものさ」
「ベッテル(セバスチャン・ベッテル/レッドブル)だって、最初の年は散々だったってみんな言ってくれる。(ベッテルは)その後、全てがうまくいきだしたってね」
「僕のテクニカルディレクター(ジョルジオ・アスカネリ)も、千里の道も一歩から、って言っているよ!」