NEXT...F1開催スケジュール

ピレリ「タイヤ性能をできる限り長く最高のレベルで維持したい」

2012年07月06日(金)16:59 pm

今週末にイギリスGPが行われるシルバーストンは、タイヤへの負担が非常に大きいサーキットだ。そのため、ピレリはここで新型ハードタイヤをテストするという。また、「タイヤ性能をできる限り長く最高のレベルで維持したい」とモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは語っている。以下、ピレリジャパンのプレスリリース。

2012 年7 月2 日、ミラノ
2012 年イギリスグランプリ: 2012 年7 月6-8 日 シルバーストン
グランプリ概要:
3戦連続の市街地サーキットでの開催後、Formula Oneは、最も伝統的な常設サーキットのひとつであるシルバーストンへ向かいます。ピレリのモータースポーツの拠点であるディドコットは、ここからわずか1時間ほどの場所にあるため、ピレリにとって、ここは第二のホームレースと言える場所です。

金曜日のフリー走行時、各チームは、現在開発中の新型P Zeroハードコンパウンドをテストする機会を得ます。ピレリは、昨年、フリー走行のセッション中、数多くの試験的なコンパウンドをテストしましたが、2012年のレース週末に新型コンパウンドがテストされるのは初めてのことです。

各チームには、通常のタイヤアロケーションに加えて、金曜日の2回のセッション用に2セットの試験的ハードタイヤが供給されます。その後のレース週末は、現在のP Zero シルバー・ハードコンパウンドとP Zero イエロー・ソフトコンパウンドが使用されます。昨年のイギリスグランプリの前半は雨に見舞われましたので、Cinturato グリーン・インターミディエイトとCinturato ブルー・ウェットも用意されています。

シルバーストンの特徴は、タイヤに大きな横荷重がかかる複数の高速コーナーとともに、レース週末を通して変わりやすい天候状態です。気温は、15℃から30℃まで変化する可能性があります。路面は非常に粗く、タイヤの摩耗を増大させます。一方、タイヤ構造は、マシンがフルスロットルでトップスピード状態にある長い時間に対応しなければなりません。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「シルバーストンは、ドライバー、マシン、タイヤにとって非常に厳しいため、Formula One のカレンダー上で最も象徴的なサーキットのひとつとなっています。われわれが近い将来使用する可能性がある新型ハードコンパウンドを、シルバーストンのフリー走行でテストする理由はここにあります。新型タイヤは、わずかに作動領域が広くなっているため、各チームにとってタイヤを適正な作動温度領域内に入れることが容易になるはずです」

「しかし、チャンピオンシップ争いは大接戦となっているので、われわれの優先度は、特定のアドバンテージを得るチームが現れないようにすることです。われわれは、タイヤ性能をできる限り長く最高のレベルで維持したいので、われわれやチームにとって、新型コンパウンドの潜在的な効果に関する情報を収集すること、そして将来のためのデータを得ることは価値ある機会となります。シルバーストンは、非常に高負荷なサーキットで、予測不可能な天候状態が特徴です。したがって、タイヤの力強い性能と効果的な戦略が、レース結果を成功に導く不可欠な要素となります」

ドライバーのコメント ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア) :
「シルバーストンは、偉大な場所であり、僕のホームレースでもあり、そしてFormula Oneマシンの性能、特に空力グリップや方向転換について実感できる場所だ。誰もがマゴッツ、ベケッツでのスピードについて口にする。世界中にこんなレイアウトは無いからね。少ない燃料とニュータイヤで予選ラップを走行する時は本当に快適だけど、いいラップを刻むために集中しなければならない。また、トラックの新しいセクションは、毎年、走る度に良くなっているんだ。新しいレイアウトと、特にDRS の導入によってオーバーテイクのチャンスが増えたし、ドライビングが楽しいよ。もっとも、タイヤにはとても厳しいけどね」

ピレリ・テストドライバーのコメント ルーカス・ディ・グラッシ :
「僕は、2010年のイギリスグランプリで新しいシルバーストンを経験した。とても興味深かったよ。高速と高負荷が主な特性で、空力グリップによってタイヤに大きな負荷がかかる。一方で、低速でテクニカルなセクションでは、トラクションも試される。特に、ターンと加速を同時に行う場合がそうだね」

「ここでは、ハードとソフトはいい組み合わせだ。ソフトは、間違いなく予選で力を発揮する。セットアップに関して最も大きな問題は、天候が予測不可能であるということ。だから、マシンに集中して、すべてのセッション中にできるだけ多くの情報を収集しなければならない。それでも、決勝時のコンディションに完ぺきに適応するセットアップを行うのは難しいけどね。僕は、今年、ヘレスで試験型のハードコンパウンドをテストした。コンセプトは現行のハードと同様だけど、グリップが改善され、摩耗率も低下している。特に、気温が高く路面状態が悪い場合に効果的で、より速く、長い距離を走行することができる」

テクニカルノート:
・シルバーストンの最速コーナーのひとつは、マシンが時速290kmで走り抜けるターン9(コプス)で、5Gの横荷重を生む。タイヤトレッドの温度は110℃を超え、速いラップのためには横方向のグリップが鍵となる。
・昨年、新しいピット施設が加えられた際、トラックは部分的に再舗装されたが、まだ非常にバンピーなままである。各チームは、良好な空力グリップを確保するため、ハイダウンフォースのセットアップを行うが、バンプを考慮してサスペンションを調整する必要がある。バンプの多くはタイヤによって吸収される。
・ピレリは、シルバーストンで完全なドライコンディションのレースを経験していない。また、レースでハードタイヤを使用していない。昨年、すべてのマシンはインターミディエイトタイヤでスタートし、トップ5がハードタイヤを使用しない同様の3ストップ戦略を採った。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック