ロータスのキミ・ライコネンが、報道されているチームとの不和を否定し、ステアリングシステムの改良を求めているだけだと話した。
ライコネンは、マクラーレンからフェラーリに移籍した2007年にチャンピオンとなり、2009年シーズン末にいったんF1を離れてラリーに参戦。今シーズンから2年ぶりにF1へ復帰しているが、開幕当初からステアリングが自分に合わないと話していた。
ロータスはライコネンの要求に応えようと改良を続けているが、ライコネンはそれを何度もはねつけているという報道もある。
これに対してライコネンは、「それはただ、以前はとてもいいステアリングを使っていたからなんだ」とイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』誌に語った。
「もっとやれば改良できる部分がいくつかある。(報道された問題の)理由はそれだけだ」とライコネンは話し、チームとの関係が悪化しているといううわさを否定した。
それどころか、ロータスは「最高だしリラックスした」雰囲気で、首脳陣も「レースが好きで政治的な駆け引きをあまりしない」とライコネンは述べ、現在のチームを評価した。
しかし、だからといって以前所属していたフェラーリを批判しているわけではないとライコネンは念を押している。フェラーリが2009年に契約を1年残してライコネンを放出し、フェルナンド・アロンソを獲得した背景には、スポンサーであるスペインの大手銀行サンタンデールの要望に応えるという政治的な理由があったと言われている。
「彼ら(フェラーリ)のことは悪く思っていない」とライコネンは断言した。
「僕はタイトルを獲得した。良くも悪くも、彼らに特別な感情はないよ。今の状況に満足している」
「もっとうまくいく可能性もあったんだろうけれど、今さら何の関係がある?」
「残留しなかった理由は自分で分かっている。でも、今その話はしたくない。言ったとおり、誰ともわだかまりはないよ」
ライコネンがF1を去ってラリー参戦を選んだ理由について、フェラーリを去る際にマクラーレンからオファーがあったが、金額で折り合わずに断ったといううわさもあった。
「それは違う」とライコネンは否定した。「本当の理由は、数ヶ月間の契約なんて、結ぶ必要を感じなかったからだ」
「必死になって、F1に残るためなら何でもするというような気持ちじゃなかったんだ」とライコネンは当時の心境を説明している。