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2012年F1、タイヤの品質に「深刻な差」

2012年07月03日(火)10:02 am

レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、ピレリがF1に供給しているタイヤの品質には「深刻な差」があると話している。

「崖から落ちる」と表現されるように急激に性能が低下してしまうため、2012年シーズンの混戦に一役買っているとも言われるピレリのタイヤは、性能を発揮できる「領域」が狭い。そのうえ、複雑に作られたクルマよりも単純な設計のクルマの方がタイヤに合っているとみられる。

ピレリは「F1をエキサイティングにしろと言われている」とのマルコの言葉をドイツの『motorline.cc』が伝えている。

ピレリが再びF1にタイヤを供給することになった2011年シーズンも、性能低下の激しいタイヤがレースを演出していた。

そして今シーズン、チームのエンジニアやドライバーたちがどのようにしてこの扱いにくいタイヤを使っているのかについて、専門家も「不可解」だと首をひねっている。

「通常、タイヤは一定して性能が低下していく。しかし、今のピレリのコンパウンドは1周うまく使えたと思えば、次の周にはもう終わっていたりする」

タイヤを使いきるタイミングの見極めの難しさを語ったマルコはまた、そもそもピレリタイヤを使える状態に持っていくことすら難しいのだと話す。

「マレーシアでは、ハード側のタイヤを履いたマーク・ウェバーのクルマのフロントウイングのセッティングをほんの2段階変えたところ、“バン!”って急に1.2秒も速くなった」

「思ったよ、“やった、クルマが良くなった!”ってね。でも、ソフト側のタイヤを履いたら、今度は0.8秒遅くなった」

タイヤによってあまりにも大きな差が出ているため、マルコは、今季ピレリがF1に供給しているタイヤの品質には「深刻な差」があるのではないかと疑っている。

「結果として、単純な設計のクルマほど、タイヤをうまく使える領域に入りやすいんだ」

しかし、先日のヨーロッパGPでは、クルマの改良によってレッドブルの2012年型車RB8は速くなっていた。セバスチャン・ベッテルが予選1位を獲得し、クルマにトラブルが起きるまでは勝利を目前にしていた。マルコはこのレースを次のように振り返っている。

「こちらが圧倒的に強いとき、ライバルたちはしんどい思いをするものだ。レースでは、ベッテルに“もっと遅く走れ! もっとだ! さらにもっと遅く走るんだ!”と指示しなければならなかった」

「私たちは知りすぎるほどよく知っているよ。強くなりすぎると、友人は増えるどころか減っていく、とね」

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