F1競技委員長のチャーリー・ホワイティングが、ヨーロッパGPで3位表彰台を獲得したミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)にペナルティーを科さないという結論を出したことについて、その正当性を主張している。
マーク・ウェバー(レッドブル)が、イエローフラッグの振られている区間でシューマッハがDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を作動させているのを目撃したことで、レッドブルはシューマッハに対してペナルティーを科すべきだと強く抗議していた。
競技委員たちはレース後に詳細な調査を行ったが、最終的にシューマッハのF1復帰後初めての表彰台獲得という結果を取り消すことはないと判断した。
報告書には、「競技委員が2本のイエローフラッグを同時に振っている区域(※)に進入するにあたって、ドライバー(シューマッハ)は十分な減速を行っていた」と記されている。
だが、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、競技委員たちもシューマッハがイエローフラッグ区間において、DRSを作動させていたことは認識していたと報じた。
しかし、ホワイティングは次のように述べ、今回の裁定が正当であることを主張している。
「DRSの状態は関係ない。イエローフラッグのもとではDRSを開けておけとか閉めておけとか、そういう規則はない」
「重要なことは、ドライバーが減速したか、そうではなかったか、という点だ。1周前のタイムと比較してみたとき、シューマッハはかなりスピードを落としていた」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、イエローフラッグが振られていた区間でシューマッハは、この審議の発端となる目撃証言を行ったウェバーよりも遅い速度で走行していたという。
(※)コース上に何らかの危険がある場合に、イエローフラッグが出され、その区間は追い抜き禁止になる。しかし、大きく走行に支障を及ぼす程度の危険がある場合には、2本のイエローフラッグが同時に振られ、一層の速度低減が義務づけられる。