フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の感動的な母国レース優勝、そしてミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)のF1復帰以来初となる表彰台獲得に沸いたヨーロッパGPだが、フォース・インディア勢の速さも目立っていた。
第8戦ヨーロッパGPに先駆けてスペインのバレンシア市街地サーキットで行われた22日(金)のフリー走行セッションで速さを見せたのは、フォース・インディアのポール・ディ・レスタとチームメートのニコ・ヒュルケンベルグだった。ディ・レスタは午前のフリー走行1回目で6番手のタイムを記録し、ヒュルケンベルグのベストタイムはセバスチャン・ベッテル(レッドブル)まで0.1秒に迫った。
2012年シーズン開幕以来、フォース・インディアは精彩を欠いていた。これまで中団グループで順位を争っていたロータス、ザウバー、ウィリアムズといったチームがトップチームと表彰台争いをしている一方で、フォース・インディアは中団を抜け出せないままだった。
しかし、バレンシアの港町に舞台を移した先週末、フォース・インディアがスポットライトを浴びるときがようやくやってきた。
ヒュルケンベルグはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に、クルマを大きく改良したわけでもなく、バレンシアの市街地サーキットに特にクルマが合っているわけでもないと言い、上位に迫る走りを見せた理由を「うまく説明できないんだ」と話していた。
第7戦カナダGPの勝者ルイス・ハミルトン(マクラーレン)は「フォース・インディアがすごく速いようだ。どうなるか誰にも分からないね」とフォース・インディアの速さを認めた。
しかし、決勝でフォース・インディア勢は速さを生かせず、ヒュルケンベルグが5位、ディ・レスタが7位という結果に終わった。