F1の贈収賄問題が再燃し、株式公開の実現に疑問が向けられるばかりか、F1の最高権威として知られるバーニー・エクレストンの辞職あるいはドイツの刑務所で服役という説まで飛び出している。
元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキーが先日、エクレストンから受けとった多額の金銭は賄賂(わいろ)だったと認めたことを受け、ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙の見出しに「エクレストンはホッケンハイム(ドイツGP、7月22日決勝)に行くのか?」の文字が躍った。
グリブコウスキーは数年間服役する可能性もあるが、ミュンヘンの法廷は果たして現在81歳のエクレストンにも同様の判決を下すのだろうか。
エクレストンは『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙に「成り行きを見守るつもりだ。私は私の仕事をするだけだ」と話している。
検察側の広報担当者トマス・シュタインクラウス・コッホは、「2011年以来、バーニー・エクレストン氏に関する捜査は継続している」と『Bild(ビルト)』へ明かす。
「ゲルハルト・グリブコウスキー氏の裁判については法廷の判断を待つのみだ」
グリブコウスキーに対する判決は数日以内に出る。
ドイツ人のセヴァリオン・キルキタッツェ弁護士は、最悪の場合エクレストンには「10年以下の」懲役が科される可能性があり、「さらに、エクレストン氏に国際逮捕状が出され、身柄引き渡し要求が出ることも考えられる」と話している。
一方、グリブコウスキーの証言は保身のためのうそだと一蹴したエクレストンは、グリブコウスキーを訴える用意もあるようだ。
「グリブコウスキーに対して私が何らかの行動をとるかどうか、数日以内にわかるはずだ」とのエクレストンの発言をF1ジャーナリストのクリスチャン・シルトが伝えている。
またエクレストンは、この件がシンガポールで進められているF1株式公開に影響したり、自身の職務を脅かされたりすることはないと一貫して主張しており、『Bloomberg(ブルームバーグ)』に「(判事が)私に何を科そうというのか、全く見当がつかない」と話した。