フェリペ・マッサ(フェラーリ)が調子を取り戻すと、所属するフェラーリだけでなく、F1最高権威のバーニー・エクレストンでさえもがマッサを擁護している。
マッサは、開幕からモナコGPの前まで低調な走りで結果を出せず、フェラーリはシーズンが終わる前にマッサを解雇するべきだという話まであちこちで聞かれていた。
しかし、マッサがフェラーリとの契約を更新する可能性が高まっている。マッサの後任候補と言われるセルジオ・ペレスと、ペレスのスポンサーであるテルメックスを、ペレスの現所属チームであるザウバーが手放すつもりはないこともその理由の1つ。また、もう1人の後任候補マーク・ウェバー(レッドブル)が、レッドブルに残留しそうな気配である事も影響している。
「フェリペが才能のあるドライバーだという事は、私にとっては既に分かりきった事だ。今更加える事はないよ」とエクレストンがドイツ人の記者に語ったコメントが最近フェラーリのウェブサイトに掲載された。
この意見には、フェラーリのチーム代表、ステファノ・ドメニカリも同意している。
「フェリペがモナコでいいレースをした後、いつも彼を批判していた記者が来て、"なんでまだ契約を更新してないんだ?"と聞いて来たよ」とドメニカリは語る。
エクレストンは、「もしあなたがドメニカリなら、マッサをこれからも信頼しますか?」という問いには、「当たり前さ、彼はよくやってるじゃないか、何も悪い事はしていないだろう?」と返した。
また、フェラーリのウェブサイトに掲載された別の記事では、モナコGPとカナダGPを終えた今、マッサは終止笑顔でいるようだ。
しかし、カナダGPでレース序盤に見せたスピンは、チームから叱責(しっせき)されるだろうと各国のメディアが予想していた。だがそれに反してフェラーリは「先頭集団と同じペースで走っていた」とマッサを評価した。
一連の報道について、マッサ自身は「本当だよ、F2012を自分好みに走らせることができるようになったから、とても満足なんだ」と語っている。