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ル・マン24時間での大クラッシュを振り返るアンソニー・デビッドソン

2012年06月21日(木)20:44 pm

6月16日から17日にかけて開催されたル・マン24時間レースで、トヨタTS030ハイブリッドの8号車に乗るアンソニー・デビッドソンは周回遅れのクルマに接触され、宙を舞って激しくタイヤバリアに激突。デビッドソンはその後、20日(水)まで入院し、衝撃で2か所に骨折を負った椎骨(ついこつ)の治療を開始している。

デビッドソンが入院中、クラッシュやトヨタTS030ハイブリッドについて語った。

Q:具合はいかがですか?

デビッドソン:だいぶよくなったよ。ちょうど腰の部分にちょっとだけ痛みがあるんだ。本当に痛めてしまったのはそこだけだから、幸運だったね。

Q:どのような診断で、復帰はいつごろになりそうですか?

デビッドソン:簡単に言えば、椎骨を2ヶ所折っているんだ。T11とT12と呼ばれるところをね。医者は平均的には治るのに3か月かかるって言うんだけれど、それはプロスポーツの選手ではない一般人の場合で、それも骨が完全に治癒して元の強さに戻るまでの期間ということなんだ。痛みは3週間ほどでひくみたいだから、そうすれば普通に動けるようになるよ。

Q:事故がどのようにして起こったのか説明してもらえますか?

デビッドソン:ちょうどコーナーの頂点の部分を過ぎて、ほとんど完全に前のクルマを追い抜こうとしていたんだ。僕はコルベットと、プロドライバーが運転していることを示すステッカーがはられたフェラーリを追い抜いた。彼らはお互いに争っているところだった。それで、その前にいたフェラーリもその2台と同じグループ、つまりプロドライバーが運転しているものだと思ったんだ。そのクルマはずっと左側にいたし、それもプロドライバーとしての行為だと思われたからね。

デビッドソン:そのクルマのすぐ後ろにつけたときに、初めてそのクルマにアマチュアのステッカーがはられていることに気づいたんだ。でもそのときはまだ心配していなかったよ。それ(左側にいること)は全く理にかなった動きだと感じていて、彼がそのまま左側を走り続けるものと考えたんだ。彼はそうするように見えたからね。コーナーの頂点に向けてブレーキをかけ始め、ほぼコーナーを抜けようかというときに左リアに接触されたのを感じたよ。

Q:それからどうなりましたか?

デビッドソン:たちまちクルマはスピンして左に回転し、それから宙に浮いて裏返しになってしまった。そのときはまるで制御不能に陥った飛行機に乗っているような感じだったよ。バリアがどれくらいの距離にあるのか分かっていたから、そのスピードで飛んでいけばすぐにそこに突っ込んでしまうことも分かっていた。あのときは体が硬直するような瞬間だった。

デビッドソン:後ろ側から地面にぶつかり、4輪が地面にたたきつけられたときには、背骨のあたりにものすごいパンチを食らったような感じがした。目を閉じて、ステアリングから手を離し、安全姿勢を取ったままでいるしかなかった。それからコンマ5秒ほどで前からバリアに突っ込んだ衝撃を感じたよ。

Q:クルマが止まってからはどうでしたか?

デビッドソン:再び目を開けて、まだ生きてるって分かった。少し痛みはあったけどね。感覚もあったし、足も動かすことができた。どこも動かせないところはなかった。特に背中に痛みを感じるときには動かずにクルマの中にいるべきだということは分かっていたんだけど、最初は完全にパニック状態で、狭いところに閉じ込められているのがいやだったから、とにかく、クルマから出るしかなかった。

デビッドソン:本当に変な感じだったよ。ドアをたたき開けて、慎重にはい出したんだ。背中に痛みがあったからね。手足を伸ばして横たわりたかったけれど、それができる一番近い場所はクルマのすぐ横しかなかった。それから、医師がやってきた。

Q:チームのみんなはもうお見舞いに来ましたか?

デビッドソン:ドライバーはみんな来てくれたよ。ステファン(サラザン)とセバスチャン(ブエミ)は夕べ来てくれたし、7号車のみんなも今朝来てくれた。それに去年チームメイトだったセバスチャン・ブルデーがメディカルセンターに来てくれたのもうれしかったよ。ああいうときに、よく知った、親しみのある顔が見られたのはよかった。今朝、全部のチームが僕の具合を確かめにきたよ。

Q:トヨタTS030ハイブリッドのレースデビューに関してはどのような印象を持ちましたか?

デビッドソン:チームのみんなが訪ねてきたとき、僕たちは自分たちのパフォーマンスに対してお互いにたたえあったんだ。何よりも、僕たちはクルマの速さを示したいと思っていた。振り返ってみれば、たとえ今僕は病院のベッドにいるにしても、前向きなことがたくさんあったよ。

デビッドソン:今週末はさまざまなことをチェックする必要があったし、速いかどうかということもその中のひとつだった。予選セッションは素晴らしかった。アウディの一角をくずすことができたしね。決勝レースでも7号車のニコ(ニコラス・ラピエール)がリードを奪ってみせるなど、素晴らしい速さがあることを示すことができた。あれはファンにとっても本当によかったと思うよ。

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