薬物検査で陽性反応が出た、ただひとりのF1ドライバーであるトマス・エンゲが、再び薬物検査で陽性反応が出たため、一切のレース活動を禁止された。
エンゲは、2001年にチェコ人として初めてF1に参戦。プロストから3レースに出走したが、2001年末にチームがF1を撤退すると同時にシートを喪失し、2002年は国際F3000(現在のGP2、F1の直下カテゴリー)に参戦した。その年のF3000タイトルを獲得したが、薬物検査でマリファナが検出されたためにタイトルをはく奪された。
今年、エンゲはF1と同じくFIA(国際自動車連盟)が統括するFIA GT1世界選手権にランボルギーニで参戦しているが、再び薬物検査で陽性反応を示した。
マリファナの検出物質THCとは異なる物質が検出され、薬物検査で陽性反応が出たことに「ショックを受けている」と、エンゲは自身のFacebookページにつづった。検出された物質の詳細は明らかになっていない。
2002年にマリファナが検出されたことで、レースキャリアに「大きな影響」が出たことを本人も認めており、禁止薬物が出たことについて次のように語っている。
「あれ(2002年のマリファナ検出)以来、ほとんど被害妄想に近い状態になった」
「今回のことはショックだよ。僕は、それと知っていて禁止薬物を摂(と)ったことはないんだ。僕は長いこと健康上の問題を抱えていて、だから、禁止薬物リストに載っている薬を使えるようFIAに要請していた」
「なぜこのような結果が出たか、専門の医師の判断をあおぎたい」
ほかのスポーツと同様にFIAもドーピングに厳しい姿勢をとっている。2007年には、コカインが検出されたGTドライバーのルカ・モロに対し、2年間の参戦資格停止処分が下された。