キミ・ライコネン(ロータス)と同じフィンランド出身のF1ドライバーで、かつてトヨタやザウバーに所属していたミカ・サロは、ライコネンが最近苦戦しており、特にモナコGPとカナダGPでは精彩を欠いていたと考えている。
一方、ライコネンのチームメートであるロメ・グロジャンは、カナダGPで2位表彰台を獲得している。
「しかし、これは1回いい走りをしたに過ぎない」とサロは、解説を務めるフィンランドの『MTV3』で語った。
いずれにしても、F1のパドックでは、ライコネンとロータスの関係が必ずしも良くないのではないかといううわさがささやかれている。
一番の頭痛のタネが、E20のステアリング・システムをめぐるごたごただ。ライコネンは、開幕当初からステアリングが自分に合わないと話していたが、モナコGPでは、チームが持ち込んだ新型ステアリングを初日最初の1周しか使わず、そのフリー走行はそれ以降走らずに問題となった。
「今は、子どもを相手にしているような状況だ」と匿名のチーム関係者が語った、とドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えている。「われわれは6つアメを並べた。彼は1つ選ぶことができる」
「彼のステアリングに7つ目のバージョンはないだろう」と話したという。
サロは、ライコネンとチームとの関係についてこう語った。「キミはクルマを走らせる天性の力を保っているが、彼の必要とするものに関して、チームと折り合いがついていないのは確かだ」
サロは、元F1王者のジャック・ビルヌーブが「ライコネンが解雇されることもあり得る」と語ったことに対し、次のように反論した。
「しかし、ジャック・ビルヌーブに関しては、実際に何が問題なのかについて、キミと一言だって話していないのではないかと思う。ビルヌーブは全くの部外者だ」
「自分の考えを持つのは自由だ。だが、事実はビルヌーブが言ったこととは全然違う」
「私は、週末うまくはまりさえすれば、キミは今シーズン勝つだろうと今でも思っている」
「キミとチームの関係がとても良好なのは、見て分かる。問題はあるが、それでも雰囲気はいい」
「仲違いしていると主張しているメディアもあるが、実際の状況は正反対だ。チームはキミを完全に尊重しているし、キミもチームを信頼している」とサロは断言した。