マクラーレンの秘蔵っ子と呼ばれる通り、マクラーレンと共にキャリアを重ねてきたルイス・ハミルトン(マクラーレン)だが、契約更新に向けた交渉は難航していると言われる。その理由をマクラーレン・グループ会長のロン・デニスが明かした。
前戦カナダGPで優勝し、ドライバーズランキングでも首位に立ったハミルトンとマクラーレンが結ぶ長期契約は今シーズン末で満了を迎える。しかし、2013年以降の契約交渉に関して、両者の口は重い。
マクラーレンは2008年にチャンピオンになったハミルトンの残留を希望しており、ハミルトンもまたチームと共に戦い続けることを望んでいるとみられる。それでも両者の交渉が円滑に進まないために、契約の詳細に関してある推測がささやかれ始めた。
そんな中デニスが、契約金額が懸案事項であることを10日(日)にカナダで『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に認めた。
「ハミルトンとの契約は間もなく終了するが、この契約を結んだ時とは経済状況が異なっている。うまくバランスをとらなくてはならない」
ヨーロッパが深刻な不況に見舞われていることから、ハミルトンの契約金額が下がるのかと尋ねた報道陣にデニスは「ハミルトンはかなりの高給取りだ。私よりも多くもらっているくらいだよ!」と答えている。
ハミルトンの移籍先として挙げられているのは、マーク・ウェバーとの契約が切れるレッドブルと、ミハエル・シューマッハとの契約が切れるメルセデスAMGだ。そして、マクラーレンもドライバー市場に目を向ける必要があるとデニスは語る。
「ドライバー市場の動きを見守らなくてはならない。ハミルトンがどこに移籍できるのか、そして、われわれが誰を獲得できるのかだ」
「最終的には、ハミルトンがキャリア初期からずっとチームの一員でいたことが、彼とチーム双方の決断に大きな意味をもってくれるといいのだけれどね」とデニス語った。
前述のレッドブルとメルセデスAMGだけでなく、フェラーリも成績が低迷するフェリペ・マッサの放出を検討していると言われている。混戦の2012年シーズンは、レース以外の場面からも目が離せない。