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ピレリ「デグラデーションレベルは予想よりもやや大きかった」

2012年06月11日(月)15:02 pm

ピット戦略の異なる3人のドライバーが優勝争いを繰り広げたカナダGP。ピレリのモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは、タイヤの性能低下を意味するデグラデーションの度合いが事前の予想よりもやや大きかったと語った。以下、ピレリジャパンのプレスリリース。

2012年6月10日、モントリオール
2ストップのスプリント戦略によって、マクラーレンのルイス・ハミルトンが今シーズン7戦目で7人目の優勝者になりました。ハミルトンは、残り8周を切って、レッドブルのセバスチャン・ベッテルとフェラーリのフェルナンド・アロンソを抜き、最後は2.5秒差をつける見事な勝利でした。ハミルトンは、2ポイント差でドライバーズ選手権の首位に立ちました。ドライバーズ選手権は、これまでの7戦で6回首位が入れ替わっています。

ロータスのロマン・グロージャンは、1ストップ戦略が功を奏し、キャリアベストの2位でフィニッシュしました。残り7周時点でベッテルがピットインし、アロンソは後退しました。(アロンソはグロージャンと同じ1ストップ戦略を採りましたが、グロージャンより2周早くタイヤ交換していました。)ザウバーのセルジオ・ペレスも1ストップ戦略を使用して3位となり、今シーズン2度目の表彰台を獲得しました。ペレスは、スーパーソフトでスタートしてソフトへ交換したグロージャンとは逆の戦略を実行しました。ゴール時点でのトップ4の差は、わずか7秒以内であり、今シーズンの接戦の状況を象徴しています。

ハミルトンは2番グリッドからスタートし、17周目の1回目のピットストップで、1周前にピットストップを行っていたポールシッターのベッテルの前に出ました。しかし、ハミルトンは、同じようにアロンソに抜かれてしまいました。このトップ3のポジションの推移は、ピットストップ戦略の重要性を強調しています。その後、ハミルトンはアロンソを抜いてトップに立った後、最後のピットストップを残り20周時点で行い、3位でコースに戻りました。これがスリリングなフィナーレへの序曲でした。

レースはフリー走行や予選時よりも暖かいコンディションになり、路面温度は40℃を超え、気温は27℃の中で行われました。昨年のレースは雨に見舞われたため、各チームは、高い温度でのタイヤ動作に関して情報が不足していたことになります。

レースの進行中の気温と路面温度にあまり変化はありませんでしたが、燃料が減ってマシンが軽くなることが、レース後半の戦略計算上の要素となりました。カナダでは珍しく、セーフティーカー導入が発生しなかったことも戦略に影響を与えました。

ジェンソン・バトン(マクラーレン)、キミ・ライコネン(ロータス)、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)、セルジオ・ペレス(ザウバー)、パストール・マルドナード(ウィリアムズ)、ペドロ・デ・ラ・ロサ(HRT)はソフトタイヤでスタートし、他の全ドライバーはスーパーソフトでスタートしました。ライコネンは、スーパーソフトで最長スティントの30周を走行しました。一方、アロンソは、ソフトで最長となる51周を走行しました。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント
「3人の世界王者がトップ3グリッドからスタートし、最後まで魅力的なレースが展開されました。レース終盤、ルイス・ハミルトンが2ストップ戦略によって得られるスピードによって、ライバルたちをオーバーテイクしました。特に、我々のかつてのテストドライバーである、ロマン・グロージャンを祝福したいと思います。彼は、1ストップ戦略によって、ゴール時点でハミルトンとわずか2.5秒の差でした。そして、セルジオ・ペレスも見事でした。彼は、またしてもタイヤの完璧な理解を示しました。これまでのFormula Oneの中で、最も若いメンバーたちが表彰台に立ち、このスポーツの将来が明るいことを表しています。暖かいコンディションとセーフティーカー導入が無かったことにより、デグラデーションレベルは、当初の予想よりもやや大きくなりました。これによって、長いスティント走行後、アロンソとベッテルのタイヤが終盤にパフォーマンスを失いました。様々な戦略が見られ、最後にトップが抜きつ抜かれつの闘いを演じ、これ以上のスリリングなフィニッシュはないでしょう」

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