F1カナダGPのパドックは、世界を駆け回るF1関係者の間でも大人気のサッカーで沸いている。
ヨーロッパ・サッカー選手権、ユーロ2012年がポーランドとウクライナでいよいよ開幕したからだ。ドイツとポルトガルの注目の一戦は、予選終了直後にキックオフした。
今シーズン2度目のポールポジションを獲得した直後のドイツ人ドライバー、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)に、ヘルメットのデザインについての質問をしてみたところ、ベッテルはじれったそうに「(その質問に対しての答えには)時間を取り過ぎちゃうかもね…」とほほ笑んだ。
それを聞いたルイス・ハミルトン(マクラーレン)は「今までの彼のコメントの中で、一番短くて、一番上出来なんじゃない!」とベッテルを冷やかした。
ハミルトンに続いて、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)も「セブ(ベッテルの愛称)が行きたがってるみたいだから、これから僕がめちゃくちゃ長い返事をしてあげるよ、ゴーカート時代のヘルメットにまでさかのぼってね」とコメントし、予選終了後の記者会見でベッテルをからかった。
最終的にベッテルは、試合のキックオフに間に合うことができ、F1のボスであるバーニー・エクレストンの快適なテントで母国ドイツが1-0でポルトガルを破る瞬間を見届けることができたようだ。
さらに、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、メルセデスAMGはミハエル・シューマッハとニコ・ロズベルグの2人のドイツ人ドライバーがサッカーの試合観戦に間に合うよう、メディア対応と打ち合わせの予定を変更したとのことだ。
ロズベルグは黒、赤、そして黄色のドイツカラーのサングラスに帽子、風船の手袋を身に着けているところを目撃された。
「全試合を観戦するつもりだよ」とロズベルグもサッカー界の一大イベントに大きな関心を寄せていた。
そして、現在ナンバー1ドライバーとしてフェラーリから寵愛(ちょうあい)を受けているアロンソの母国スペインが、フェラーリの母国イタリアと激突する。これにはアロンソもいささか複雑な心境のようだ。
「もしスペインが勝ったら、僕がピットストップした時にピットクルーの人数が減っているかもしれないね!」とアロンソは冗談を交えて語っていた。