大多数のチームがF1イギリスGPの舞台シルバーストンで7月に行う見通しになっていたF1若手テストだが、F1最高権威バーニー・エクレストンの横やりによって、結局は全チームが当初の予定通りアブダビで行うことになる可能性が出てきた。
F1若手テストは当初、アブダビGP(11月4日決勝)の直後に予定されていた。しかし、シーズン終盤の過密スケジュールを理由に、多くのチームがアブダビでの開催に反対。レッドブル、トロ・ロッソ、マクラーレンを除く9チームが、アブダビでのテストの代わりに、同様のテストを7月のシルバーストンで開催することを計画した。
だがドイツ紙『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、この案に対してエクレストンが干渉していると伝えた。
イギリスGPの1週間後には、シルバーストンを使用することができないとエクレストンがチームに対して通達したという。報道によると、エクレストンとシルバーストンの間に結ばれている契約では、グランプリ開催期間中だけではなく、その前後もエクレストン側にサーキットの利用を管理する権利があるようだ。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は次のように続けた。
「彼(エクレストン)に話を持ちかけることなく、シルバーストンとチームの間だけで、テストの日程を決めてしまったようだ」
そして、アブダビびいきとも解釈されるエクレストンの態度によって、「全チームがアブダビでのテストを強いられる」かもしれないと記事は付け加えた。
だがメルセデスAMGのチーム代表ロス・ブラウンによると、このエクレストンのやり方は裏目に出る可能性もあるようだ。
「若手テストを2つの異なるサーキットで開催するという、全チームが賛成した協定が存在している」
「同意が破られてしまうことになる」とブラウンは述べ、こう加えた。
「よって、アブダビに赴く義務などない」
ザウバーのチームCEOモニシャ・カルテンボーンも、ブラウンの考えに同調している。
「ほとんどのチームがアブダビでのテストをキャンセルするという可能性も十分に考えられます」