ザウバーのガレージで「グロジャン」の単語は、今も禁句のようだ。
第5戦スペインGPではセルジオ・ペレス(ザウバー)が、第6戦モナコGPではチームメートの小林可夢偉が、それぞれロメ・グロジャン(ロータス)のクルマとぶつかっている。
ザウバーのチームマネジャーを務めるベアト・ツェンダーはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に「モナコの一件では、グロジャンにペナルティーが下るべきだった」と怒りの心境を吐露している。
「グロジャンは2台のクルマにぶつかったんだ。シューマッハ(ミハエル・シューマッハ/メルセデスAMG)がスペインGPでペナルティーを受けたなら、モナコでグロジャンにペナルティーが下るのは当たり前じゃないのか?」
2名のドライバーが次々と同じクルマにぶつけられていく姿を見たザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーも「グロジャンは、うちのドライバーたちに対して気がとがめているだろうね」と話した。
2009年にF1デビューするも成績が振るわず、ブランクを経て2012年にF1に再デビューしたグロジャンだが、確かに他車と接触する場面は何度も見られている。しかし、本人はクラッシュが多いとは感じておらず、次のように反論した。
「オーストラリアGPでのマルドナード(パストール・マルドナード/ウィリアムズ)との接触は、僕が原因じゃないよ」
「マレーシアGPでのシューマッハ(ミハエル・シューマッハ/メルセデスAMG)との接触は、僕が悪かった」
「モナコGP? あの時僕に何ができたって言うんだい?」
「サンデボーテ(1コーナー)ではスクーターでバスを追い抜くことだって難しいんだよ。ましてや、4台のF1マシンが走ったらどうなるか分かるだろう」
「あれもゲームの一部なんだ。レースではスタートが重要な位置を占めるけれど、僕がほかのクルマに対して過度に攻撃的だったとは思ってない。不運だっただけさ」
「クレイジーなことをしたなんて思ってないよ」