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今のF1ドライバーは「飼いならされている」と元王者

2012年06月09日(土)5:45 am

元F1王者のジャック・ビルヌーブが、カナダGP(10日決勝)に先立って、現在のF1を辛らつに批判した。

カナダ人で、1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、今週末モントリオールで、亡き父ジル・ビルヌーブの名前を冠したサーキットで行われるグランプリに出席する。

ジル・ビルヌーブは、1970年代から1980年代初頭に活躍したカナダ出身のF1ドライバーで、豪快なドライビングスタイルで人気を集めた。1982年にジルがベルギーGP予選中の事故で亡くなると、その功績をたたえ、カナダGPの開催地であるモントリオールのコース名がジル・ビルヌーブ・サーキットに変更された。今年はその没後30年にあたるため、運営者側も特別な配慮をしている。

しかし息子のジャックは、この記念のレースにあたって、まず2012年シーズンのF1を酷評し、レースを「運任せ」にしているとも言われるピレリタイヤと、現在のドライバーを痛烈に批判した。

現在のドライバーたちを父ジルの時代と比較して、ジャックはこう語った。「当時のレーサーは12歳の子どもじゃなかった。レースで走るためには資金調達も必要だった」

「そのために汗を流して苦労しなければならなかったんだ。今のようなお父さんっ子ばかりじゃなかった。今のドライバーはF1で走っているが、まだ子どもだ。赤ん坊だよ。そういうふうに飼いならされているんだ」

また、F1の新世代は、F1が抱える危険性に対する認識が甘いと非難した。

「バルセロナ(スペインGP)でのブルーノ・セナ(ウィリアムズ)のように、対等にレースしていないんだ。あきれる程遅く走って、ポイント争いをしているドライバーをブロックする」とジャックは、スペインGPでのセナとミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)の接触事故に触れた。

「そんなのは、第一に賢いドライビングではない。だがそれよりも、ストレートでちょっと左右に振るようなことは、間違っている」

スペインGPの事故では、セナに追突したシューマッハがペナルティーを受けたが、ジャックはセナにも原因があったと見ているようだ。

またジャックは、ピレリタイヤがレースに大きな影響を与えている現状を喜んでいないことも明かした。今年ピレリが提供するタイヤは、性能劣化が激しく、使いこなしにくいと各チームとも頭を悩ませている。

「今は、すごい大ファンだとは言えないね」

「ドライバーができることがほとんどない。タイヤがとにかく突然終わってしまう。それが、F1にふさわしくないほどのレベルで起きているように見える」

今年は、パストール・マルドナード(ウィリアムズ)のような、いわゆる「格下」のドライバーが毎レース優勝候補に挙がるような混戦が続いている。それを歓迎する意見もあるが、ジャックは賛同しない。

「格下がトップをやっつけるのを見るのはいつだって楽しいものだ。でも、たまに起きるからいいんだ。今は、ほぼ毎回そうなっているみたいだ」

「理屈に合わない。一番いいものが勝つべきだ」というのがジャックの考えだ。

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