F1の開催地となっている各サーキットが、F1の規約に意見を出せる団体を設立した。
ジャーナリストのクリスチャン・シルトが『The Independent(インディペンデント)』紙で明かしたところによると、オーストラリアGPの責任者であるロン・ウォーカーを代表に据え、フォーミュラ・ワン・プロモーターズ・アソシエーションと名づけられた団体が5月に設立されたという。
2011年には、2014年から適用となる6気筒エンジンの音があまりに小さいことを懸念して、F1を開催する複数のプロモーターがアメリカの最高峰カテゴリー、インディカーへの転向をちらつかせていた。
イギリスGPの舞台シルバーストン・サーキットの会長であるニール・イングランドも、サーキット団体の設立を認め、次のように語っている。
「歴史的に、サーキット同士は横の連携が弱かったが、フォーミュラ・ワン・プロモーターズ・アソシエーションの設立により、まとまった意見を出せるようになる」
「共通する懸案事項も多くあるため、サーキットが意見を出すことが重要だと考えている」
また、サーキット団体の設立は、次期コンコルド協定に関する交渉と無関係ではないようだ。コンコルド協定は、F1の利益分配など運営方法を規定するものだが、現行の協定は今年限りで期限切れとなる。現在、各関係者が新協定の締結に向けて交渉を重ねている最中だ。
「サーキット団体設立の背景には、技術規約への発言権を求める気持ちがあったのだろう」とシルト記者はつづっている。
団体代表のウォーカーは、報道陣へ次のようにコメントした。「FIA(国際自動車連盟/F1統括団体)がひんぱんに規約を変更することで、ファンが混乱しチケットの売れ行きにも影響が出ていた。これまでサーキットは、この問題に悩まされてきたんだ」
ウォーカーはさらに、今季開幕戦の舞台となったオーストラリアGPを現地観戦したファンのうち、92%が新しい規約を知らなかったというアンケート結果も公表している。