たとえ次戦のカナダGP(6月10日決勝)が正反対のサーキットでのレースになろうと、今のフェリペ・マッサ(フェラーリ)には関係ないようだ。モナコGP(5月27日決勝)で取り戻した確かな自信を胸に、マッサは5日(火)カナダへ向けて旅立った。
2012年シーズンが開幕して以来、不振にあえぐマッサ。モナコではフェラーリのシート喪失のうわさまでささやかれていたが、見違えるような速さを発揮し、そのような憶測を一蹴してみせた。
「モナコでのクルマが本当に素晴らしかった」
「自分のスタイルに合うように、チームと共に正しい方向へ向かっていた。このポジティブな流れが、次戦のカナダからシーズンの終わりまで続くことを願っているよ」とマッサは語った。実に、モナコはマッサにとって、重要なターニングポイントだった。
今週末にカナダGPが行われるモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットは、モナコと正反対ともいえるサーキットである。にもかかわらず、マッサ担当のチーフエンジニア、ロブ・スメドレイは、モナコでのセットアップをカナダのベースとして使用することを考えている。
「モナコでのセットアップは、他のサーキットと全く異なるものが求められる」とマッサは認める。一方で、「市街地コースはユニークだけれど、モナコでとった“方向性”をそのまま他のレースで機能させることは可能」と語り、そして次のように付け加えた。
「このようなケースはまれかもしれない。でも、いまの自分がF2012(フェラーリの2012年型車)の特性をうまく機能させるためには、向かうべきベストの方向性なのかもしれない」