ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)が2012年以降もF1に残るのかどうかが話題になっている。
F1史上最多となる7度のタイトル獲得を果たしたシューマッハは、2006年に引退。その後、2010年に現役へ復帰したが、復帰から2年は目立った成績を残せず、契約が切れる今季いっぱいで再び引退するとの憶測が広がっていた。
しかし、2012年シーズンは復帰後で一番調子の良いところを見せており、その最たるものが、モナコGP(5月27日決勝)予選でトップタイムを出したことだった。
ところが、決勝では運に見放され、6戦を終えて獲得したのは2ポイントにとどまっている。
また今シーズンは、シューマッハの名前がレース中にスチュワード(レース審査員)の審議対象に挙がることも多かった。43歳という年齢から、その視力や反射神経が疑問視されているのではないか、とほのめかすうわさもある。
一方、問題になっているピレリタイヤについては、シューマッハは批判的な発言をして物議を醸した。今シーズンのピレリタイヤは、性能劣化が激しく、微妙な温度の上下で挙動が変わるため理解が難しいと言われ、レース結果を左右しすぎているという意見もある。
話題に事欠かないシューマッハだが、F1の最高責任者であるバーニー・エクレストンは、シューマッハの残留を願っていると話した。
「彼は今も大物だ」とエクレストンはドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に述べている。「まあ、みんな強いシューマッハのほうが、いいだろうけどね」
マクラーレンのジェンソン・バトンも、シューマッハ残留を支持している。
『AFP通信』によると、バトンはこう話した。「ミハエルは、復帰以来この数年、たくさんの批判にさらされてきた」
「時には、クルマに慣れたり、一緒に働く人たちに慣れたりするのに、時間がかかることもある。でも、彼はモナコで素晴らしいラップをまとめたと思うし、まったくミスがなかった。明らかに、それだけのことをやってきたんだよ」
「あれで、ほかにもいくつか証明されたよね?」とバトンは付け加えている。
バトンが所属するマクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュも、シューマッハが再びトップに立つのを見たいと話した。
「ミハエルは今年、絶対に優勝すると思う」とウィットマーシュは『Frankfurter Allgemeine Zeitung(フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング)』紙に語った。
「特にあの週末(モナコGP)の後で、過小評価したら愚か者だよ」
「彼はもう1度、特に批判する者に対して、年寄りだなんてとんでもない、と証明してみせたんだ」
またウィットマーシュは、シューマッハは本当に偉大なドライバーだったのかという議論について「ばかばかしい」と話した。
「彼は史上最高のドライバーだ」とウィットマーシュは断言した。
シューマッハの来年以降の契約に関しては、ウィットマーシュはこう述べた。「もちろん、われわれのスポーツにとって良いことだ。彼は、地球上いたるところで知られている世界的な有名ブランドなんだ」
弟のラルフ・シューマッハも、シューマッハの復帰は「F1全体にとって」良いことだ、と『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙に対して話している。