F1は最高峰の自動車レースシリーズだというイメージを崩さないように注意しなくてはならない。
そう主張するのは、マクラーレンのチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュだ。ウィットマーシュはドイツの『Frankfurter Allgemeine Zeitung(フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング)』紙に次のように語っている。
「F1は人間と機械が常に限界まで攻め、速さを競うレースだという認識が持たれている」
「タイヤがあまりにも早く摩耗してしまうことで、そのイメージを損なわないように注意しなくてはならない」
今年は、開幕以後ここまでの6レースすべてで違う勝者が誕生するという異例のシーズンとなっているが、その混乱ぶりを楽しむ者と、純粋なモータースポーツとしてのF1を支持する者との間にはお決まりの論争が起きている。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に、「一方ではとても面白いけれど、でももう一方では、とても分かりづらいね」と話している。
ラルフは、ここまでの結果についての分析で取り上げられるのがあまりにもタイヤのことばかりで、いささかうんざりしてきていると認めている。
ウィットマーシュは、さらに次のように続けている。
「タイヤがレースの勝敗にそれほどの影響力を持っていないほうがいいと思う。そうすれば、他のことがもっと重要な意味を持ってくるからね」
今年のモナコGP(5月27日決勝)の勝者となったマーク・ウェバー(レッドブル)も、かつてのようなF1を望んでいるようだ。
「個人的には、以前のようにレースの途中で給油があったほうが楽しかったよ。多分ドライバーはみんなそうじゃないかな。でも、そういうレースはものすごくワクワクするような展開にはならないけれどね」とウェバーはコメントしている。